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積極姿勢で復興を後押し 独自技術、ノウハウ生かす
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中小機構北陸本部が中能登町商工会との共催で開催したワークショップの様子(同商工会研修室にて)
中小企業基盤整備機構北陸本部は13日、中能登町商工会と共催で同商工会研修室(石川県中能登町)にて、能登半島地震復興応援企画ワークショップ「これからの復興に向けて」を開催した。
復興を進める中、被災者一人一人の心理的疲労に注目し、その重要性や対処法を東日本大震災から復興した事業者を例に学んだ。製造業に携わる参加者からは「自宅が被災した従業員にどんな声がけをすれば良いのか、また自らも気付かないうちにストレスが溜まっていた」という意見などが出た。中能登町商工会の経営指導員は、「今回の企画で心の奥底にあった感情を可視化し、自身の内面を客観視することで現状を受け入れられたのではないか。今後は従業員向けのメンタルヘルス研修もしていきたい」と話した。
北陸電力は能登半島地震で被災した太陽光発電所を対象にした無料診断サービスを始めた。設備の状況を踏まえた上で、修理のほか、故障や経年劣化により発電効率が低下した設備を新しく交換して発電出力を増強するリパワリングなど、復旧に向けた支援をする。
サービスの提供期間は2025年3月31日まで。現地で目視が可能な調査に限る。対象は同社の管内にある高圧以上の野立て太陽光発電所で、顧客の敷地内に設置した自家消費型の発電所は対象外となる。申し込みを受けた後、同社が現地調査を実施し、最適な復旧方法の提案をする。その後の修理やリパワリングなどの復旧作業は有償で対応する。
三協立山は電気自動車(EV)用アルミニウム材の生産能力を増強する。約120億円を投じて、新湊東工場(富山県射水市)にアルミ押し出しラインを増設する。新ラインの整備により、同工場の生産能力を月約1000トン高める。EVの普及に伴い、軽量なアルミ材の需要が拡大すると見て大型投資に踏み切る。
新湊東工場を増築しアルミ押し出しラインを増設する。増築分の建築面積は1万2862平方メートル。24年7月に着工し、25年10月の完成を目指す。完成した製品は国内の自動車メーカーなどに供給し、主にEV向けの需要を想定する。
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トヨックスの耐久性を高めた食品機械向けチューブ
トヨックス(富山県黒部市)は、現在普及しているシリコーン製に比べ耐久性を5倍以上高めた樹脂チューブを市場投入した。チューブをローラーで押しつぶしながら回転させることで流体を吸入し、定量を吐出するローラーポンプ向け。食品や化粧品、医薬品業界に売り込む。ローラーポンプ用のチューブは同社として初めて。3年後に1億円の売り上げを目指す。
開発した「食品用ローラーポンプチューブエコフーズPVC」は、材料配合の工夫などで強度を持たせた。チューブの交換頻度を減らせるほか、ローラーでつぶされた際の削りカスの発生が少なく異物混入のリスクを軽減できるという。
ローラーポンプ用チューブは海外製が多く、同制度への適合が進んでいないことからトヨックスは商機があるとみる。米食品医薬品局(FDA)認証にも適合しており、海外にも展開する計画だ。
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三恵金型工業はプラスチック金型の初期不良を軽減するソフトを導入(同社の本社工場)
三恵金型工業(富山県南砺市)は、プラスチック金型の初期不良を軽減するため3次元(3D)解析ソフトウエアを導入した。設計データを同ソフトで解析することで、金型の変形や折れといった不具合をあらかじめ把握。金型の設計変更や修正を少なくし、リードタイムの短縮につなげる。
解析ソフトの採用により、金型の変形や折れなどに加え、金型内で溶融樹脂が合流した部分にできる細い線のウェルドラインや、ひけ(成形品の表面に発生する歪みや凹み)の発生を予測。これに基づいて金型の製品肉厚などを事前に見直せるようになり、金型の修正回数を減らせた。これまでは試作を繰り返しながら不具合を修正する必要があり、膨大なコストや時間がかかっていた。
白山機工(石川県白山市)が新開発した研削盤用クーラントタンクは、油性クーラントにも対応可能で研削・研磨加工で排出されるスラッジを高精度に排除し、スラッジ回収・清掃コストを削減できる。ダーティー槽では、渦流式タンクでクーラントを循環させスラッジの体積を抑制するため、タンク清掃の手間が減少する。同槽から特殊なフィルターケースに送られ、クーラントの流れを利用しスラッジを塊上にして分離する。フィルターは目詰まりが起きにくい構造のため、清掃や交換時期を減らせる。分離したスラッジは下部に沈殿し、時間による自動制御でバルブが開きドレンボックスに排出される。ボックスは開閉式構造でバッグフィルターの回収作業を容易にした。