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IoTソリューション
IoTは人とモノがつながり、さまざまな情報や知識を共有し、新しい価値を創出する。デジタル化が加速し、生産や業務の効率化、サービス向上、技術革新に欠かせない。工場自動化(FA)の現場はさまざまな装置が稼働する。製造業などでは機械学習や分析と組み合わせた機械装置の予兆保全など、より高度な運用が期待される。
「つながる」人・モノ・情報・知識-新たな価値創出
工場〝自律化〟品質・生産性を向上
IoTはFAやエネルギー管理、物流などで活用されている。機器や装置がネットワークを通じて、データを送受信して機器間でつながっている。
調査会社のIDCジャパンは2028年の国内IoT市場支出額を、23年比46・6%増の9兆4818億円と予測した。
23-28年の年間平均成長率は8・0%と見込んでいる。特に労働人口の減少や労働規制の強化による人手不足の深刻化に伴い、物流や建設、医療分野でIoTの導入が進むと捉える。これらの分野では物流効率の向上に対するスマート倉庫の管理や、建設作業の効率化のための建設アセット(資産)管理、医療分野の院内クリニカルケアが主要な運用としている。
IoTの導入目的は単純な数値計測から、物流分野における配送経路の最適化、製造業などにおける機械学習や分析と組み合わせた機械装置の予兆保全など、より高度な目的に変化する。
経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、製造業のデジタル変革(DX)を後押し、手引書となる「スマートマニュファクチャリング構築ガイドライン」を、6月末に公表した。
部門機能・業務を前提とした「部分最適」とする製造機能だけでなく、調達・開発設計・営業などの周辺機能も含む製造プロセス全体を俯瞰(ふかん)した「全体最適」を目指すことが重要。経営・業務変革課題の特定から、課題解決に向けたデジタルソリューションの活用や企画構想などを支援する。
こうした中、アズビルは製造業における「自動化」を技術のブレークスルーとして、工場全体を俯瞰する「自律化」システムを提案する。製造工程を自動化することで、重労働や手作業の負担を軽減し効率化を図ってきた。製造現場では複雑化する製造管理と品質管理に加え、製造装置などの設備管理や不測の事態の対応が欠かせない。これらの管理や対応には〝人〟が介在する。
自律化システムは製造現場に特化した「BiG EYES(ビッグアイ)」をコア技術とし、人を介さない(自律)で生産性や品質などの向上を目指す。ビッグアイは人工知能(AI)を応用し常時オンラインシステムで監視することで、いつもと異なる動きを予兆段階で検知するシステム。特に設備管理分野においては、状態基準保全(CBM)を実現し、突発故障の低減と保全コストの適正化に貢献する。
製造などの管理目標に対して自律化システムが「最適プランを立案」。蓄積したデータとの関連性を「状態認知、障害予測」する。次に製造計画の遅延など今後の「障害回避策を立案」する。これらはAIとビッグデータをベースに自律して行われ、人が介在しない。これによりイノベーションの創出や多様な働き方の選択、スマート社会実現など多くの新しい価値を提供する。