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Interop Tokyo2025(2025年6月)
「Interop Tokyo2025」が6月11日から13日までの3日間、千葉・幕張新都心の幕張メッセで開かれる。主催はInterop Tokyo実行委員会。「デジタルサイネージジャパン(DSJ)2025」「アプリジャパン(APPSJAPAN)2025」「画像認識AIExpo2025」が同時開催される。開場は10-18時(最終日は17時まで)。展示会と講演(基調講演・会場内セミナー・専門セミナー)はオンライン登録制で入場無料。詳細は公式ホームページ(www.interop.jp)へ。
「ShowNet」会場に巨大ネット
近未来のネット表現
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多くの来場者でにぎわった「Interop Tokyo2024」 -
トップエンジニアが集結する「ShowNet」
Interop Tokyoは最新の情報通信技術(ICT)とそのソリューションを体感するイベントとして、1994年の開催以来、今回で32回目を迎える。同展示会はインターネットテクノロジー、ICTに関する国内最大級の展示会として、インターネットや技術革新の歴史とともに歩んできた。
毎年国内外から数百の企業・団体が参加し、会場でのデモンストレーションやセミナーを通じて、技術動向とビジネス活用のトレンドを発信している。
今年のテーマは「社会に浸透するAIとインターネット」。さまざまなビジネスの現場で活躍するAIは今後どのように進化していくのか。経営上の重要課題であるサイバー攻撃への対処は何が有効なのか。社会基盤として重要性が増すデジタルインフラの未来はどうなっていくのか。出展各社の展示と、多岐にわたるテーマでの講演を通じ、AIとインターネットの可能性を発信していく。
Interopの最大の特徴は、会場内にネットワークを構築するプロジェクト「ShowNet」。同プロジェクトは出展社から提供された約2000の製品・サービスと、約700人のトップエンジニアが幕張メッセに集結して構築され、「2年後、3年後にネットワークに必要なこと」を表現する。実稼働ネットワークでありながら、各種の相互接続実証やチャレンジを実施する巨大プロジェクトだ。
今回のShowNetのテーマは「ShowNet is Your Network」。注目点は①効率化と見える化で進化し続けるファシリティの構築②ShowNetが考える"未来の光伝送"③高機能かつシンプルなマルチテナントバックボーンへの挑戦④AIと既存サービスを融合したマルチテナント対応コンテナ基盤⑤ゼロトラストで支える広帯域セキュリティーサービスと脅威監視基盤⑥つながる・ひろがる、日本のメディアネットワーク-などだ。
同時開催展 AI時代の技術・展望
「Interop Tokyo2025」では「デジタルサイネージジャパン(DSJ)2025」「アプリジャパン(APPSJAPAN)2025」「画像認識AIExpo2025」の3展が同時開催される。
DSJはデジタルサイネージの最新動向を伝える展示会。街中のメディアとして大きな役割を果たす「デジタルサイネージ」にフォーカスし、デジタルサイネージ産業の課題解決や新市場の創出、あらゆるビジネスシーンにおけるサイネージの利活用事例を紹介する。
アプリジャパンはAI時代のアプリ開発・サービス提供企業が集結する専門展で、アプリビジネス拡大の機会が提供される。スマートフォン、タブレット端末、パソコン、テレビやデジタルサイネージなどインターネットにつながるさまざまなアプリの活用の広がりや、ウエアラブルデバイス、交通、医療、教育など、多様なシーンにおいて活躍が期待されるアプリを紹介する。生成AIゾーンも設けられ、AI生成技術の進化や今後の展望に注目が集まる。
画像認識AIExpoは新しい価値を生み出す画像認識AIにフォーカスした専門イベント。IoT(モノのインターネット)が浸透した現代社会において、より一層重要性が増す画像認識AIに注目し、関連するテクノロジーが披露される。
講演・セミナー 宇宙のデジタルインフラ
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さまざまなテーマで講演やセミナーが行われる
Interopではオンライン登録制で聴講無料の基調講演、会場内セミナー、専門セミナーが用意されている。産業やテクノロジーをまたぎ、宇宙で活躍できるデジタルインフラのあり方について議論する「Internet × Space Summit」などの特別企画も実施される。
基調講演の会場は国際会議場2階。11日は9時15分から、12、13の両日は9時半から開始する。
Interopでは同時間帯に複数の講演、セミナーが開催されるので、プログラムを見て計画的に聴講することが重要だ。
カンファレンス エキスパート登壇
会期中、幕張メッセ国際会議場1階では「Interop Tokyo カンファレンス2025」が開催される。情報通信サービスの各分野で活躍するエキスパートが登壇し、最新の情報を解説する。
今年のセッションキーワードは次の通り。
▼AI/生成AI=AI/生成AI、AIインフラ
▼ネットワーク=Wi-Fi、5G/Beyond5G、Segment Routing、OpenRoaming、データセンター、クラウド、IoT、ShowNet
▼セキュリティー
▼ワット・ビット連携
▼IT戦略=IT戦略、DX/デジタル化、ID、量子テクノロジー、SDV、法律・規制、人材育成
参加料金(消費税込み)は1Dayパッケージプランが6万500円、3Daysパッケージプランが12万1000円。聴講の申し込みは公式サイトから。会場聴講受け付けの締め切りは13日14時まで。
なお、会期終了後、講演者の許諾が得られたセッションについてはアーカイブ配信を行う。配信期間は6月末から10月末を予定する。
ごあいさつ/Interop Tokyo 2025 実行委員長 村井 純(慶應義塾大学教授・WIDEプロジェクト ファウンダー)
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Interop Tokyo 2025 実行委員長 村井 純(慶應義塾大学教授・WIDEプロジェクト ファウンダー)
現在、AI(人工知能)の進化は急加速し、実空間への浸透が顕著になっています。画像・文章・音声による大規模言語モデル(LLM)の利用はユーザーエクスペリエンス(UX)としての大きな変革が起きると同時に、業務改革や完全自動運転などの制御分野での発展も進んでいます。わが国ではサービスロボットがさまざまな現場で導入され始め、AIエージェントとの連携により、生活空間におけるサイバー空間と物理空間の融合による新しいデジタル社会が始まっています。
他方、計算コストの低減、デジタルデータ利用の新しいルール作り、エネルギー消費とデジタルインフラのバランスを考えるワット・ビット連携モデルの推進など、AIの発展に伴う新しい取り組みが広がっています。こうしたAIを取り巻く新しい環境の基盤は、高速・低遅延で信頼性の高い新しいインターネット技術です。
本イベントは、最先端の情報通信関連の専門イベントとして、Interopの名前の由来通り「Interoperability(相互接続性)」をテーマに、最新の機器、技術、サービスが一堂に会して、実際の利用者とどのように連携できるのかが分かるイベントとして開催されてきました。
このInteropの歴史の中で、インターネットとITにおけるInteroperabilityに関する課題を一つずつ解決してきた結果、一見、皆さまには相互接続性の課題はある程度解決したように見えているかもしれません。しかし、決してすべての課題が解決したわけではありません。
新しいテクノロジーの出現や活用シーンの広がりによって、新しいInteroperabilityの課題を発生させ続けています。さらにこれからは、これまでつながっていなかった「モノ」がインターネットを通じて相互接続されていくでしょう。そこにも新たな課題が次々と発生しています。
このInteropは今後もこれらの課題を明確にし、参加者が解決策を見つける場であり続けることでしょう。
Interop Tokyoの場が「今」の挑戦への答えを披露することに加えて、次の社会も見据えた「新しいインターネット」「新しい市場」をお見せする場、体験できる場となり、そして参加者すべての新たな扉を開く場になることを楽しみにしています。