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Interop Tokyo2024(2024年6月)
「Interop Tokyo2024」が6月12日から14日までの3日間、千葉・幕張新都心の幕張メッセで開かれる。主催はInterop Tokyo実行委員会。「デジタルサイネージジャパン(DSJ)2024」「APPSJAPAN(アプリジャパン)2024」「画像認識AIExpo2024」が同時開催される。開場は10―18時(最終日は17時まで)。展示会と講演(基調講演・会場内セミナー・専門セミナー)はオンライン登録制で入場無料。詳細は公式ホームページ(www.interop.jp)へ。
次世代に向けた提言発信
今年も実施 ShowNet
Interop Tokyoは最新のICTとそのソリューションを体感するインターネットテクノロジーのイベントとして、1994年の開催以来、今回で31回目を迎える。国内のインターネットや技術革新の歴史とともに歩んできた。
毎年国内外から数百の企業・団体が参加し、会場でのデモンストレーションやセミナーを通じて、技術動向とビジネス活用のトレンドを発信している。今回も同時開催展を含め、約500社・団体が参加する。
今年のテーマは「AI社会とインターネット」。より豊かな社会の実現に向けて人工知能(AI)がどう活用されていくのか。その際、膨大に増えていくデータ量に対応するためのインターネットインフラはどうすればよいのか。出展各社の展示と、多岐にわたるテーマでの講演を通じ、次世代に向けた提言を多角的に行う。
Interopの最大の特徴は、会場内にネットワークを構築するプロジェクト「ShowNet」。これは最新のネットワーク技術・ネットワーク機器などを相互に接続し、「5年後、10年後に必要となるネットワークの姿」を示すというビジョンのもとに構築するコンセプトネットワークだ。実稼働ネットワークでありながら、各種の相互接続実証やチャレンジを実施する。
今回のShowNetのテーマは「Inter * Network」。「*(アスタリスク)」は、どのような単語でも入れられることを意味する。ネットワークの用途や目的や課題が違ったとしても、それぞれに最適なネットワークでつなげることができる、柔軟で、高性能で、かつ快適なネットワーク。そういう「ネットワークのモデルケース」となることを目指している。
注目点は①革新と伝統を融合したファシリティー②マルチ*で広がる光伝送の未来③多様化するネットワーク環境を柔軟に統合するルーティングテクノロジー④持続可能な次世代Wi―Fi運用⑤コンピューティング資源を統合した分散コンテナ基盤の進化―などだ。
同時開催展 画像認識AIに標準
「Interop Tokyo2024」では「デジタルサイネージジャパン(DSJ)2024」「APPSJAPAN(アプリジャパン)2024」「画像認識AIExpo2024」の3展が同時開催される。
DSJはデジタルサイネージの最新動向を伝える展示会。街中のメディアとして多様な役割を果たす「デジタルサイネージ」にフォーカスし、デジタルサイネージ産業の課題解決と新市場の創出、あらゆるビジネスシーンにおけるサイネージの利活用事例を紹介する。
アプリジャパンはデジタル変革(DX)時代のアプリ開発・サービス提供企業が集結する専門展。スマートフォン、タブレット、パソコン、テレビやデジタルサイネージなどインターネットにつながるさまざまなアプリの活用の広がりや、ウエアラブルデバイス、交通、医療、教育など、多様なシーンにおいて活躍が期待されるアプリを紹介する。
画像認識AIExpoは新しい価値を生み出す画像認識AIにフォーカスしたイベントだ。処理のリアルタイム性やセキュリティー面からエッジデバイス上でAIモデルを動かすエッジAIのユースケースも増えてきている。ここでは画像認識AIに関連するテクノロジーの利活用事例が広く紹介される。
講演・セミナー 惑星間ネットなど開講
Interopではオンライン登録制で聴講無料の基調講演、会場内セミナー、専門セミナーが用意されている。惑星間インターネットなどの「宇宙のインフラ」にフォーカスしつつ、通信の話題だけにとどまらない多方面にわたる新しいビジネスチャンスについての最新情報を共有する「Internet x Space Summit」や、放送業界のIP化推進をテーマに通信と放送の双方からの視点で議論する「Internet x Media Summit」などの特別企画も実施される。
講演・セミナーには内容に合わせた種類のキーワードが割り振られており、公式サイトで登録する際の検索・検討を容易にしている。
同時間帯に複数の講演、セミナーが開催されるので、聴講の計画はプログラムをよく検討して立てよう。
カンファレンス充実
会期中、幕張メッセ国際会議場1階では「Interop Tokyo カンファレンス2024」が開催される。情報通信サービスの各分野で活躍する第一人者が登壇し、最新の情報を解説する。
3日間で合計38のセッションが実施される。今年のセッションキーワードは次の通り。
▼AI/生成AI=AI/生成AI、AIインフラ
▼ネットワーク=ネットワーク、Wi―Fi、5G/Beyond5G、Segment Routing、APN(All Photonics Network)、データセンター、クラウド
▼セキュリティー
▼IT戦略=IT戦略、ITインフラ、DX/デジタル化、デジタル基盤、ID、Trusted Web、量子テクノロジー、法律・規約、人材育成、Web3、ロボット、ドローン、経済安全保障、スタートアップ
参加料金(消費税込み)は1Dayパッケージプランが5万5000円、3Daysパッケージプランが11万円。聴講の申し込みは公式サイトから。会場聴講受け付けの締め切りは14日14時。
なお、会期終了後、講演者の許諾が得られたセッションについてはオンデマンド配信を行う。配信期間は6月末から10月末を予定する。
ごあいさつ/Interop Tokyo 2024 実行委員長 村井 純(慶應義塾大学教授・WIDEプロジェクト ファウンダー)
Interop Tokyoは昨年記念すべき30回目の開催をし、また新たな未来に向けて歩み始めます。
本イベントは、最先端の情報通信関連の専門イベントとして、Interopの名前の由来通り「Interoperability(相互接続性)」をテーマに、最新の機器、技術、サービスが一堂に会して、それらがきちんと実稼働する様子をお見せすることを通して、実際の利用者とどのように連携できるのかが分かるイベントとして開催されてきました。この一貫した取り組みを通して、専門家から一般のユーザーまで幅広い皆さまに長く愛され、日本のインターネットの発展とともに歩んできました。
このInteropの歴史の中で、インターネットとITにおけるInteroperabilityに関する課題を一つずつ解決してきた結果、一見、皆さまには相互接続性の課題はある程度確立したように見えているかもしれません。しかし、決してすべての課題が解決したわけではありません。
新しいテクノロジーの出現や活用シーンの広がりによって新しいInteroperabilityの課題を発生させ続けています。さらにこれからは、これまでつながっていなかった「モノ」がインターネットを通じて相互接続されていくでしょう。
そこにも新たな課題が次々と発生していますが、このInteropはこれからもこれらの課題を明確にし、参加者が解決する場であり続けることでしょう。
急速に広がりつつある生成AIなど、デジタル技術は私たちの生活やビジネスに新しい形で貢献し続けます。インターネットはAIの普及や発展を含めたデジタル技術体系の基盤となるサービスや技術の総称です。インフラ、サイバーセキュリティー、学習面そしてガバナンス面において、ユーザー側も、構築側も、全く新たな方法や新たなイノベーションが発生する時代となります。
そこで、今年は「AI社会とインターネット」をスローガンに、新たな機会や課題と向き合い、ここに集う方々が有益な議論をする場として開催いたします。
Interop Tokyoの場が「今」の挑戦への答えを披露することに加えて次の社会も見据えた「新しいインターネット」「新しい市場」をお見せする場、体験できる場となり、そして参加者すべての新たな扉を開く場になることを楽しみにしています。