-
業種・地域から探す
続きの記事
産業ガス
産業ガスは高度なモノづくり産業を支える重要なインフラとして、製品の開発から製造、品質管理に至るさまざまな分野で利用されている。産業ガスメーカーは成長分野をターゲットにした市場開拓を行い、常に時代の最先端の産業に必要とされてきた。世界的な脱炭素の流れに対し、電力多消費産業である高圧ガス業界全体としてカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)に挑戦する。水素ガスの利活用やカーボンリサイクル構築に向けた取り組みで製造業をサポートしていく。
CO2供給網構築へ
日本酸素グループの日本液炭(東京都港区)は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「産業間連携によるカーボンリサイクル技術実装推進事業」の共同提案者として採択された。同事業はカーボンフロンティア機構(同港区)を代表事業者として、同社と宇部マテリアルズ(山口県宇部市)との共同提案により実施。宇部・山陽小野田地域を中心に、石灰・セメント工場、産廃物処理施設、下水汚泥処理施設などから分離・回収された二酸化炭素(CO2)を液化炭酸製造工場へ集積し、広域供給を行うCO2サプライチェーンの構築を検討する。
また、回収したCO2について、炭酸塩化、ポリカーボネート、メタネーションなどのカーボンリサイクル技術への利活用を含めたサプライチェーン(供給網)全体の構築可能性を調査する。併せて、CO2回収・輸送・利用にかかわる設備検討や、ライフサイクルアセスメント(LCA)およびCO2可視化手法を活用したCO2マネジメントの事業化検討を実施し、経済合理性およびCO2排出削減効果の定量評価を行う。加えて、地域社会への貢献効果や今後の技術開発課題を整理し、社会実装に向けたロードマップを策定する。
安全への取り組み
高圧ガスは取り扱いに注意が必要な危険物だ。製造・流通・販売を担う業界関係者だけでなく、消費者も含めた全ての関係者が安全に対する意識を高める必要がある。
今年4月からは労働安全衛生法の改正により、化学物質管理の規制対象として、アセチレン、プロパン、CO2、水素などの一般ガスや、高圧の状態の酸素、窒素、アルゴン、ヘリウムが加わった。高圧ガスの事故を起こさないことに加え、労働者の守ることも重大な責務となっている。
産業ガスの供給方法には、顧客の工場敷地内でガスを生産するオンサイト供給、ガスメーカーの製造工場からローリー車などで顧客先に輸送するローリー供給、シリンダー1本単位で販売するシリンダー供給がある。小口顧客向けのシリンダー供給は、各地の充填所のタンクに貯蔵された液化ガスを高圧ガス容器に小分けして販売する。一般的に容器は販売店やメーカーなど供給者の所有物で、空になったら顧客先から回収し繰り返し使用するが、さまざまな現場で使用された後、返却されないことも少なくない。
-
JIMGAが提供する安全教育講座の一コマ(高圧ガス関連事故)
2025年5月、東京・江戸川区の工事現場で、地中に埋まっていたアセチレン容器を重機が穿孔したとして、大規模な爆発事故が起きた。この事故を受けて、日本産業・医療ガス協会(JIMGA)では高圧ガス容器取扱事業者に対し、納品した高圧ガス容器、特にアセチレンガス容器についての点検と早期回収を呼びかけている。
また、ウェブサイトで公開している動画資料の「溶解アセチレンの安全な取扱い」に、「溶解アセチレンの安全な取扱及び容器の適切な維持管理」(第1章―第8章)と「溶解アセチレンガス火災の消火実演」の9動画を追加。ガス消費者に向けた情報発信も強化している。
25年7月には大学でアセチレンと酸素の混合ガスを作る実験中に爆発事故が発生。同年10月にも大学でドライアイスによる死亡事故が発生した。
JIMGAは大学の理工系学部や高等専門学校の教職員・学生向けのオンデマンド教材「高圧ガス安全教育講座」の提供を6月に開始。一般高圧ガスと半導体材料ガスの基礎知識、法体系、容器の取り扱いについて総合的に学ぶことができる。27年3月まで使用可能なIDとパスワードを発行、閲覧の人数制限なしで7万7000円(税込み)のキャンペーン価格となっている。問い合わせはJIMGA(03・6665・8210)へ。
