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製造業の効率化支える
伊東電機/物流問題解消 高速自動仕分け
伊東電機(兵庫県加西市)は独自技術を生かした物流システムやマテハン機器を手がけるメーカー。コア技術であるコンベヤー駆動用モーターローラー「パワーモーラ(MDR)」を生かし、MDRと最適な搬送制御で設計したモジュールで物流現場の自動化・省人化に貢献している。
物流現場ではいくつかの課題への対応を迫られている。トラックドライバーなど物流事業者の時間外労働上限規制により、輸送能力が下がって物流が停滞する2024年問題。さらに業界の慢性的な人手不足の問題も横たわっている。したがって物流センターなどの施設では「作業の効率化」の取り組みが急務となっている。
伊東電機はこれらの課題への解決策として高速ソーティングシステム「id―SORTER」を提案する。同システムはMDRを動力源とした、コンベヤーモジュールの組み合わせで構成。システム内のモジュールを制御するソフトウエア、IoT(モノのインターネット)プラットフォーム「id―PAC」で、自在にライン設計ができる。後の増設やレイアウト変更にも対応する。
標準化したモジュールの採用により、システム設置時のプログラミングにかかる時間を大幅に削減。専門技術者に頼らずにシステム導入ができる。「大きな投資ではなく、スモールスタートで早期に自動化を進められる」(伊東徹弥社長)とアピールする。柱や防火扉など施設レイアウトの制限があり、大きな自動化ラインの導入が難しいマルチテナント型倉庫への提案を加速させている。
同社は用途に応じて幅広いモジュールを展開している。その一つである「マルチアングルボールソーター(MABS)」は、小物やケースを停止させずに任意の角度に仕分けできるモジュール。斜め・左右・直進方向に搬送でき、1時間あたり最大6000ケースを処理する。完全エアレスで配管などの設備も不要。さらに、搬送に必要な時・箇所だけ駆動させるラン・オン・デマンド搬送制御で、他方式に比べ約60%プラスアルファの省エネ効果がある。
マテハンシステムのメンテナンス支援も手厚い。「止めない物流」に貢献する独自のメンテナンスシステム「id―MEMS」では、システムの稼働データ・トラブルデータの蓄積、またインターネットを介してシステム内のコンベヤー稼働状況をモニタリングすることもできる。トラブルの予知保全ソリューションの提案により、メンテナンスにかかる人手やコストの削減を支援する。
10月3―4日には「伊東電機プライベート展示会」をマイドームおおさか(大阪市中央区)で開催する。「id―SORTER」などのMDR式マテハン技術を展示。250キログラム程度の搬送物を自動仕分けするモジュール「M―RAT」も初展示する。小物・袋物・ケース搬送、パレットによる重量物搬送・保管まで、幅広い自動化ソリューションを提案する。さらに業界動向などを学べるセミナーも開催する。伊東社長は「中小企業も自動化設備を簡単に導入できるように提案を強化していく」としている。
伊東電機プライベート展示会の申し込み込みは同社HPからできる。
バンドー化学/熱水・油・粉に強い食品搬送用ベルト
バンドー化学は低収縮な食品搬送用ベルト「ミスターLキーパー」を開発した。食品搬送用ベルトは油や粉のほか加熱殺菌に使う熱水などが原因で、ベルトの波打ちや寸法変化が起き、蛇行やプーリの破損などの課題が発生していた。同社は熱水洗浄や油、粉に強いベルトの提案で、効率的な食品搬送に貢献する。
同社の食品搬送用ベルトはポリウレタン(PU)とPET帆布でできたものが多い。ミスターLキーパーはPUとPET帆布のベルトの裏面を、独自に設計開発した樹脂カバーした。これにより油や粉、液体が帆布に潜り込むことによる収縮を防止。かつ樹脂は摩擦係数が低くなるように工夫しているため、小さな搬送物をスムーズに乗り継ぎさせるためのナイフエッジ走行や、板状のコンベヤー形式のテーブル支持走行で使用できる。
iCOM技研/導入簡単 協働ロボで幅広い研磨
iCOM技研(兵庫県小野市、山口知彦社長)は、デンマークのユニバーサルロボットの協働ロボットを使った研磨システムを開発した。独自開発したティーチングユニットを活用すれば、簡単に研磨工程に協働ロボットを導入できる。10キロ―20キログラムまでの可搬重量に対応して協働ロボットシステムを構築する。
iCOM技研はティーチングユニット「i Teach Master(アイ ティーチ マスター)X」を研磨システム用にプログラムし、ロボットに標準搭載している。ティーチングはユニット部に備え付けたボタンを押し、ロボットを直接手で動かして動作を覚えさせるだけ。
研磨システム「i Sanding Master (アイ サンディング マスター)FR」では、ティーチングペンダントを使ってツールの押付力を自由に設定できる。ツールを交換すれば、1台の協働ロボットでビード除去から鏡面研磨など幅広い研磨作業に対応する。