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兵庫県三木地区
兵庫県三木地区は神戸市の北西に位置し、金物のまち、酒米「山田錦」の産地、ゴルフ場の多いまちとして知られる。中でも三木金物は地場産業として400年を超える歴史と伝統を持ち、DIY向けなどの一般用から大工道具などのプロ仕様まで幅広い製品を展開。高品質による全国的なブランド力を誇っている。
金物輸出、好調に推移/25年4—6月
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三木金物は大工道具としても高品質で知名度が高い
三木市の主要産業といえば金物生産である。市では99%以上を占める中小企業の振興が地域経済の発展に不可欠という考えのもと、経営革新や経営基盤の強化、創業促進に向けた多様な施策を展開する。
三木商工会議所がまとめた「三木金物輸出統計表」によると、2025年4—6月の三木金物総輸出額は約14億900万円で前年同期比120%と好調に推移。来期の出荷高見通しについても、農園芸用具や機械刃物でプラスが見込まれている。国内では緩やかな景気回復が見られる中、各種施策の効果もあり、今後も雇用・所得環境の改善が期待されている。
一方、原材料高や売り上げ・受注の停滞と減少、人材不足を当面の経営課題に挙げる企業も多く、生産現場ではさらなる自動化や無人・省人化による生産性の維持・向上が不可欠となっている。市が“人材”の課題解決に向け取り組む「三木市中小企業人材育成事業」では、市内の中小企業経営者やその従業員に向けた助成を実施している。中小企業大学校や職業能力開発促進センターなどが実施する研修や講座を受講した場合、1件1科目につき5万円を超えない範囲で、支払った受講料の2分の1を補助している。
地域の伝統・文化 万博で発信
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三木金物のシンボル「金物鷲」
三木市における金物生産の始まりは戦国時代にまでさかのぼる。天正時代の「三木合戦」によって荒廃した町は豊臣秀吉の復興策に伴い大工道具の需要が拡大、全国から腕のよい鍛冶職人が集められ、その後、徐々に商工業化が発展したとされる。市では23年、内閣府が推進する「SDGs未来都市」に選定され、行政や企業・団体、市民の協働による地方創生の取り組みが進んでいる。
7月29日、三木商工会議所と三木金物商工協同組合連合会は「2025年大阪・関西万博」における見学会を共催した。三木金物を象徴する大型オブジェ「金物鷲」と、福井県越前市の越前打刃物のシンボル「昇龍」が、万博会場内のEXPOメッセ「WASSE」で行われた「LOCAL JAPAN展」に共同出展される期間に合わせ、それぞれの地域の伝統と文化をPRした。
金物まつり開催 11月1—2日
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毎年、多くの来場者でにぎわう「三木金物まつり」
11月1日、2日の両日、「三木金物まつり2025」が開催される。テーマは“魅力いっぱい ぜーんぶ三木~かじやの想いがここにある~”。一般的な金物からプロ仕様まで豊富に取りそろえる三木金物の展示直売会やふれあいバザールのほか、芸能・文化関連の展示、ステージイベントなど多彩な内容で展開する。三木金物のシンボル“金物鷲”も例年どおり展示。ステージイベントは三木市役所前広場特設ステージで実施する。三木太鼓やダンス、ライブ演奏など見どころ満載だ。
開催場所は三木山総合公園、三木市文化会館・みっきぃ広場などで、入場料は無料。多彩な内容が好評で、例年16万—18万人が来場する三木市の一大イベントだ。
