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兵庫県東播磨地区特集
兵庫県の東播磨地域は明石市、加古川市、高砂市、稲美町、播磨町の3市2町から成る。地域中央部には県下最大の河川である加古川が流れ、その流域には播州平野が広がる。沿岸部の播磨臨海工業地帯には優れた技術を有する製造業が集積し、変化の早い時代のニーズや課題に独自の技術とアイデアで対応している。東播磨地域の取り組みを紹介する。
重厚長大産業集積、技術力ある中小数多く
東播磨地域は兵庫県の中央臨海部に位置する。東は神戸市、西は姫路市、北は北播磨地域に接し、南は播磨灘に面する面積266平方キロメートルのエリアだ。臨海部は播磨臨海工業地帯の中央にあり、産業機械や鉄鋼、化学など重厚長大産業における大手企業の生産拠点が集積。高い技術力を有する中堅・中小企業も多く立地する。
一方、農産物や水産物など豊かな自然が育んだ地域資源や、歴史遺産などでも多様なコンテンツを有するほか、交通利便性も高い。山陽新幹線が地域を東西に貫き、中国・山陽自動車道も近畿と九州を結ぶ大動脈として物流を支えている。
SDGs活動支援
近年、兵庫県の播磨臨海地域では〝2050年までに脱炭素社会の実現を目指す〟取り組みによる、カーボンニュートラルポートの形成が進んでいる。カーボンニュートラルに向けた取り組みは国際競争力強化に不可欠な活動であるという背景のもと、産業分野においても持続可能な開発目標(SDGs)の動きが活発だ。県では「ひょうご産業SDGs推進宣言事業・認証事業」を実施するなど県内企業のSDGs活動を多様に支援している。同事業は各企業のSDGsの取り組みに向けた宣言内容を登録・集約し、広く社会に公表することにより、県内中小企業を支援するのが目的。登録企業には登録証が交付され、SDGsの推進について、専門家派遣による経営支援を受けられるほか、兵庫県信用保証協会の保証料率の割引も適用されるなど、兵庫ならではの施策を展開する。
水素需要拡大にも力
こうした脱炭素化を推進する施策と並行し、水素の需要拡大にも力を入れる。2013年度の播磨臨海地域のCO2排出量3875万トンを、50年までにゼロにする目標である。大手企業の参画などによる液化水素サプライチェーンの構築を進めることで、東播磨港と姫路港において30年に見込まれる年間の水素需要約19万トンを、50年には神戸港を含めた水素換算需要にして年間約571万トンの見込みに拡大。そのほか、水素関連産業など成長産業の立地促進を図り、23年4月には産業立地条例も一部改正。水素ステーション整備費補助や成長産業育成のための研究開発支援、成長産業分野における試作開発支援などを拡充した。
甲南設計工業/大阪に新オフィス
顧客と従業員の利便性向上
甲南設計工業(兵庫県三木市、山本真由美社長)は1月6日、大阪府豊中市新千里西町に「大阪テクニカルオフィス」を開設する。現本社・工場に置く技術・営業部門を新オフィスに移転し、顧客と従業員の利便性向上を図る。製造部門は現本社・工場に残す。
同社はプラスチックシートの全自動巻き取り機・切断機など省力化設備の設計・製作を主に手がける。顧客の製造現場ごとのニーズに向けた提案力と製造技術を強みとする。
交通の便の良い新オフィスの開設により、さらなる職場環境の改善と従業員採用につなげる狙いだ。山本真由美社長は「当社は環境に優しい企業活動をテーマとしている。環境負荷を低減する機械・設備の製造はもとより、従業員の職場環境をより良くする取り組みにも重きを置いている」と説明する。