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熱中症対策
春の大型連休が明けると、日増しに暑さを感じるようになる。それと同時に、熱中症の発生リスクが高まってくる。環境省は気象庁と連携し、きょう(22日)から今期の熱中症予防情報サイト運用を開始する。気象庁が気温40度C以上の日を「酷暑日」と新たに定めるなど、今年も厳しい暑さが見込まれる。
熱中症による救急搬送過去最多
熱中症とは高温多湿な環境に身を置いた際、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態になることだ。発汗が進む一方で身体が十分に冷却されず、体内の水分とナトリウムなどの塩分のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻したりすることによって発症する。症状が重い場合は死に至る可能性もあり、決して軽く考えてはいけない。
2025年5月ー9月、熱中症による救急搬送人員の全国累計は10万510人(消防庁まとめ)。調査を開始した08年以降で、最多となった。非常に厳しい暑さが長期間にわたって続いたことが背景にある。
厚生労働省がまとめた25年の職場での熱中症による死傷災害の発生状況は、死亡者および休業4日以上の業務上疾病者数(死傷者数)が1681人(25年12月末速報値)で、05年以降で最多となった。うち、死亡者数は15人。前年よりも減少したとはいえ、亡くなる人は後を絶たない。
対策実施は事業者の義務
厚労省は昨年6月、労働安全衛生規則を改正し、事業者に対して熱中症対策の実施を義務付けた。一定の条件に当てはまる作業を行う事業者が対象で、対策を怠った場合は罰則が科せられる。改正の目的は作業現場での熱中症による死亡や重症化を防ぐこと。体調変化の早期把握のための手順や体制整備などを求めている。
さらに今年3月、職場における熱中症予防対策を徹底するため、新たに「職場における熱中症防止のためのガイドライン」を策定し、これに基づいた防止対策を広く呼びかけている。
職場の暑さを抑えることが大事
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人を効率的に冷やせるユニット型フォロアス(大気社提供)
熱中症のいちばんの対策は職場(作業現場)の暑さを抑えること。指標として暑さ指数(WBGT)を用い、基準値を超える恐れがある場合、屋根(日よけ)、通風・冷房設備、ミストシャワーなどの散水設備といった設備や機器によって対策する。
工場や倉庫での暑熱対策としては、狙った場所や必要なエリアのみを冷やす空調機器へのニーズが高まっている。空調設備工事を手がける大気社は、カメラで作業者の動きを認識してピンポイントで風を送る吹き出し口「FOLLOAS(フォロアス)」を開発。大空間に人が点在する工場などで人を効率的に冷やす提案をする。
従来のスポット空調は固定式で風を送るだけだが、フォロアスは直径5メートルの範囲で人を追従し、快適性を向上。固定式と比べて吹き出し口を減らせることから省エネルギーになる。24年11月から累計で約150台を設置した。
今年は天井にダクトを設置できない工場などに向け、ファンと空調機を一体化したユニットとしても提案する。同社は「既にユニット型の採用が決まっているお客さまもいて好感触を得ている。吹き出し口としてもユニットとしても、現場のニーズに合わせた提案ができる。今後はユニットの省スペース化を図りながら、さらにシリーズ展開していきたい」と意気込む。
作業者自身が行う対策としては透湿性・通気性のよい服装とし、涼しい場所で適宜休憩をとること、体から失われた水分・塩分を適切に補給することが肝心だ。
熱中症らしき人を確認した場合は涼しい場所に退避させ、衣服を緩めて体を冷やし、水分・塩分を補給。症状が重い場合は迷わず救急車を要請する。
