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兵庫県播磨地区産業界
兵庫県の播磨地域にはモノづくりやエネルギー関連、地場産業など多様な企業が集積し、独自の技術とアイデアを生かした取り組みで、変化の早い時代のニーズに対応する。人手不足が叫ばれる中、SDGsの活動を進めることで、あらゆる課題解決に挑んでいる。播磨地域の企業の取り組みを紹介する。
「播磨」活躍企業の成長戦略②
西松屋チェーン社長 大村 浩一 氏
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西松屋チェーン社長 大村 浩一 氏
ベビー・子ども・マタニティ向け商品の販売を行う。為替相場の変動や、物価上昇による消費マインドの低下が懸念されるなど景気の先行きは不透明であるが、お客さまの立場に立った取り組みを着実に実施し、さらなる成長を目指している。
商品開発では、育児用品の「スマートエンジェル」、衣料品・服飾雑貨の「エルフィンドール」のプライベートブランドで、適正な品質・お手頃価格の商品を提供するとともに、小学校高学年向けの衣料品や、各種雑貨などの品ぞろえを拡充している。プライベートブランド商品の開発拡大など、商品力強化のために、幅広い分野からのスカウト採用を進めている。
出店にあたっては首都圏などの人口集中地域への出店や、より便利な立地での大型店舗への置き換えに注力する。電子商取引(EC)サイト「西松屋公式オンラインストア」では、「西松屋チェーンデジタルギフト」の販売を始めるなど、サービスを充実させている。運営面でも、店舗での作業手順や店舗への商品の配送方法を見直すなど、一層の生産性向上に取り組んでいる。
今後とも、子育てになくてはならない「社会インフラ」として、子育てを応援し、子育てを楽しめる社会づくりに貢献し続けたいと考えている。
ニチリン社長 曽我 浩之 氏
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ニチリン社長 曽我 浩之 氏
自動車用・2輪用各種ホースおよび配管部品を世界展開する。今年、創立110周年を迎えた。激変する潮流を掴むため、「戦略的に」「より速く」「誠実であること」を社内に浸透させると共に、海外子会社を含めた全ての従業員が意見を出せる企業文化の醸成を目指す。
足元では日系自動車メーカーの販売不振により、特に中国での売り上げは伸び悩んだが、現地ローカルメーカーへのゴムホース販売が好調なほか、インドでは2輪用ホースも伸びている。海外拠点を基盤にアセアンや北米・欧州の現地メーカーに向けた提案活動に力を入れる。
7月にはロボットなどで生産技術力の向上を図る拠点「ニチリンワークショップ」が完成した。生産効率化に向けた設備開発に注力し、国内・海外拠点に展開する。また、播磨地域の中小企業に向けた生産現場の自動化支援も進める。当社の知見を生かし、ロボット導入からアフターサービスまでを担うことで、地元企業の支援につなげたい。
今年は企業の温室効果ガス(GHG)削減目標設定を推進する国際イニシアティブ「SBTi」の認定を取得した。今後もエネルギー消費に配慮した製品提供やダイバーシティー実現など、サステナビリティ経営を推進する。
タテホ化学工業社長 栗栖 裕文 氏
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タテホ化学工業社長 栗栖 裕文 氏
世界情勢における金利の高止まり、中国市場の停滞、および紛争勃発による経済停滞は、当社の事業の拡大を足踏みさせる要因となっている。しかし、長期的にみれば、再生可能エネルギー設備、電気自動車(EV)用電力供給網整備、および人工知能(AI)の加速的な普及に伴い建設されるデータセンターへの電力供給などにより、世界の電力インフラの設備投資は各国の政策を基に順調に増加すると予測している。送電に不可欠な変圧器に使用される主力商品の電磁鋼板用酸化マグネシウムも品質優位性を生かすことにより、将来にわたって成長需要を確実に獲得できると考えている。
将来的な成長に向けた取り組みとして、昨年7月にマーケットインを意識した商品開発や営業活動を実行する体制を整えた。その体制が1年を越えて、中長期的な成長戦略が具体化しつつある。グループ間の連携強化はもとより、技術部門は各大学や研究機関との共同研究を積極的に展開し、国連の持続可能な開発目標(SDGs)や温室効果ガス(GHG)低減に貢献する有望なテーマに取り組んでいる。また営業部門は、他社と新事業の協業を進めており、既存事業の新たな用途展開と新規事業の立ち上げによる事業拡大を目指す。
西芝電機社長 後藤 秀範 氏
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西芝電機社長 後藤 秀範 氏
船舶向け、発電・産業向け電機システム分野で発電機・電動機などの製品を手がける。足元では、造船業界の需要増加を受けて船舶向け製品が好調だ。また環境にやさしい船舶の需要も高まっており、ゼロエミッション船の開発も進められている。当社も積極的な提案活動と製品開発を通して市場動向への対応を進めている。
発電、産業分野では、都市部の再開発や近年の異常気象に対するBCP対応としての非常用電源システムの需要は堅調といえる。
このような市場環境の中でも高い品質と納期を維持するべく、生産現場の整備を進めている。従業員との対話から課題の抽出と対策に取り組んでいる。ベテラン社員のノウハウや技術の継承に加え、少子高齢化による働き手不足問題なども考慮し5ー10年先を見据えたモノづくり体制の構築を進めている。その一つの施策として、来年には発電機部品を手がける製造ラインの移設・改修が完了する予定だ。今後、各ラインの自動化や老朽化したインフラの整備に積極的に投資して生産能力を高めるほか、社員の働きやすさ向上を図る。
今年から姫路市を活動拠点とする女子プロバレーボールチーム「ヴィクトリーナ姫路」とスポンサー契約を結んだ。スポーツを通して地域活性化と、社員のモチベーション向上に取り組みたい。