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産業観光へ行ってみては 楽しみ、そして学ぼう
約3年にわたり、さまざまな影響を及ぼした新型コロナ感染症が5月に5類に移行し、日常生活や経済活動も徐々に平時に戻りつつあることを実感する。中でもここに来てインバウンド(訪日外国人)もそこかしこで見かけるようになったほか、国内旅行もさかんになりつつあるようだ。時まさに秋まっただ中。どこかへ出かけるには最適な季節を迎えている。阪神地区にも数多くの観光地が点在するが、たまには単なる観光だけでなく、地域や企業の様子が分かる観光施設を訪れることも面白いのではないだろうか。楽しみに学びを加えれば、その地域の理解を一層深めることにつながるはず。阪神地区でそうした体験ができる場所の一端を紹介する。
■白雪ブルワリービレッジ長寿蔵《小西酒造》(兵庫県伊丹市中央3の4の15)
1550年創業の伝統を受け継ぐ清酒「白雪」で知られる小西酒造。その伝統の清酒やオリジナル地ビール「KONOSHIビール」などが楽しめる直営レストラン。2階には江戸時代から使用されていた酒造り道具が展示されているブルワリーミュージアム。ここでしか買えない日本酒や有料試飲が楽しめる長寿蔵ショップが併設されている。
▽アクセス=JR・阪急伊丹駅から徒歩5分
▽問い合わせ=072・773・1111
■伊丹酒蔵通り(JR伊丹駅から西に伸びる通り)
江戸時代に酒造業で栄え、町家や酒蔵、社寺などが集積していたにぎわいの中心地区。当時の景観を再現した通りには飲食店をはじめ商業者30店舗が集まる。歴史ある伊丹の清酒「白雪」「老松」が購入できる。国土交通省都市景観大賞「美しいまちなみ優秀賞」のほか、第2回伊丹市都市景観賞を5件の建築物が受賞している。
▽アクセス=JR伊丹駅から徒歩1分
■東リインテリア歴史館《東リ旧本館事務所》(兵庫県伊丹市東有岡5の125)
2019年に創業100年を迎えた東リの創業翌年の1920年に建てられた旧本館事務所。20年に国の登録有形文化財として登録された。大正から昭和初期に活躍した渡辺節氏設計の建物で、創業以来「確かな品質」「個性豊かで魅力ある製品」という”モノづくり”に対するこだわりを生む原点ともなっている(事前予約制)。
▽アクセス=JR伊丹駅・猪名寺駅、阪急新伊丹駅からいずれも徒歩10分
▽問い合わせ=06・6494・6622
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19年3月から一般公開されている尼崎城 -
約2万4000点を超える貯金箱を収蔵する「世界の貯金箱博物館」
■尼崎城(兵庫県尼崎市北城内27)
1617年(元和3)に築城されたが、1873年(明6)の廃城令で取り壊された尼崎城。近年再建され、2019年3月から一般公開されている。仮想現実(VR)シアターや剣術・鉄砲体験コーナー、槍や刀の重さ体験などのほか、当時の「金の間」をイメージした大広間で、忍者や武者の衣装を身に着け記念撮影ができるなど、バラエティーに富んだコンテンツが満載。
▽アクセス=阪神尼崎駅から徒歩5分
▽問い合わせ=06・6480・5646
■尼崎信用金庫「世界の貯金箱博物館」(兵庫県尼崎市西本町北通3の93)
世界62カ国、約2万4000点を超える貯金箱を収蔵する、わが国初の貯金箱博物館。公開されている貯金箱博物館では質・量ともに世界最大級で、地域が誇る名所となっている。特別企画コーナーでは月ごとのテーマに沿った貯金箱が一堂に展示されるのも見どころの一つ。建物は旧尼崎信用金庫2代目本社ビル。
▽アクセス=阪神尼崎駅から徒歩5分
▽問い合わせ=06・6413・1163
■岸本吉二商店(兵庫県尼崎市塚口本町2の8の25)
正月や結婚式の祝賀行事などで行われる鏡開き。その際に使われる菰樽部材の菰縄製造は大半が尼崎で行われ、国内トップシェアを誇る。自分だけのオリジナル菰樽づくりに加え、工場見学も可能(事前申し込み要)。
▽アクセス=阪急塚口駅から徒歩5分
▽問い合わせ=06・6421・4454
■日本盛 酒蔵通り煉瓦館(兵庫県西宮市用海町4の28)
灘の銘酒として多くの人に親しまれる「日本盛」。その酒造りだけにとどまらず、日本酒の製造工程に関する資料を展示する。酒器などガラス製品づくりも体験でき、日本酒にまつわるあらゆる情報が学べる。利き酒コーナーでの無料試飲や日本料理店も併設。まさに日本酒情報の発信基地となっている。
▽アクセス=JR・阪神西宮駅、阪神・阪急今津駅からいずれも徒歩15分
▽問い合わせ=0798・32・2525
■西宮市立郷土資料館分館 名塩和紙学習館(兵庫県西宮市名塩2の10の8)
郷土資料館は西宮地方の歴史と文化財を実物資料で知ることができる唯一の施設で、収蔵資料は約4万点。名塩和紙学習館はその分館で、名塩の伝統産業「紙すき」を実習・体験できる。実習室には学習用や指導者用すき舟のほか、実物のすき舟を備える。展示室では名塩紙の歴史や紙すき工程の説明パネル、名塩紙が使われた二条城のふすま絵写真のほか、紙すき道具類も展示する。
▽アクセス=JR西宮名塩駅から徒歩20分
▽問い合わせ=0797・61・0880
■甲子園歴史館《阪神甲子園球場》(兵庫県西宮市甲子園町8の15)
2024年に竣工100周年を迎える阪神甲子園球場の歴史を一堂に集めたミュージアム。野球ファン必見の多くの貴重な史料や映像などを展示する。高校野球や阪神タイガースの歴史も学べる。今年、18年ぶりにセントラル・リーグを制覇した阪神タイガースの優勝特別展を現在開催中。スタジアム見学ツアーや公式戦開催中には試合前の打撃練習が見学できるプランも用意されている。
▽アクセス=阪神甲子園駅から徒歩7分
▽問い合わせ=0798・49・4509
■あいあいパーク《宝塚山本ガーデン・クリエイティブ》(兵庫県宝塚市山本東2の2の1)
花と緑の情報発信ステーションとして1000年の伝統を持ち、日本三大植木産地の一つである宝塚市山本に2000年にオープン。英国の美しい地方都市・サリーの17世紀頃のたたずまいを再現した、おしゃれで斬新な雰囲気が魅力。グリーンショップや見本庭園、ベーカリーカフェ、ガーデニンググッズ販売など、中身も盛りだくさん。
▽アクセス=阪急山本駅から徒歩5分
▽問い合わせ=0797・82・3570
■阪急電鉄 平井車庫(兵庫県宝塚市平井7の1)
阪急電鉄唯一の全面高架式車庫で、2021年に竣工50年を迎えた。敷地面積約6万平方メートルで、最大収容能力372両を誇る。阪急宝塚、箕面の両線のほか、能勢電鉄の車両検査にも対応する。車庫見学のほかに洗車体験もできる(事前申込制)。
▽アクセス=阪急雲雀丘花屋敷駅から徒歩15分
▽問い合わせ=06・6373・5272
■宝塚市立手塚治虫記念館(兵庫県宝塚市武庫川町7の65)
5歳から24歳まで宝塚で過ごした手塚治虫の「手塚マンガ」を再現した館内では、マンガやアニメのほか、アニメ制作が体験できる。エントランスホールは代表作「リボンの騎士」の王宮をイメージするほか、常設展示室では「火の鳥(未来編)」に登場する生命維持装置をモチーフにした展示カプセルにゆかりの品や作品資料を展示。記念館限定グッズの購入も可能だ。
▽アクセス=JR・阪急宝塚駅から徒歩10分、阪急宝塚南口駅から徒歩7分
▽問い合わせ=0797・81・2970