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はばたく中小企業・小規模事業者300社
日本企業における「中小企業・小規模事業者」の割合は9割を超える。わが国の産業と地域経済の根幹となる重要な存在だ。一方で労働力不足や次世代への事業承継など、さまざまな課題に直面している企業も多い。そのような中、経済産業省および中小企業庁は力強く事業変革や新規事業に果敢に挑戦し、活躍が期待できる中小企業・小規模事業者300社を選定し、表彰事業を行っている。ここでは、2025年度に表彰された企業の中から、独自技術やアイデアを磨き、将来の飛躍が期待される企業を紹介する。
地域経済支える中小—顕彰
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5月29日に経済産業省で実施された授賞式
「はばたく中小企業・小規模事業者300社」は、全国中小企業団体中央会、日本商工会議所や全国商工会連合会などの経済団体、日本政策金融公庫などの金融機関、中小企業基盤整備機構や日本貿易振興機構(ジェトロ)などからの推薦をもとに、外部有識者による厳正な審査を経て300社が選定されている。2025年度の選定委員会は、委員長を務めた沼上幹早稲田大学ビジネス・ファイナンスセンター研究院教授ら有識者8人が担当した。
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中小企業庁の山下隆一長官が表彰状を授与
人口減少社会による構造問題や脱炭素化対応など、日本の中小企業を取り巻く環境はかつてないほどにめまぐるしく変化が激しくなっている。そうした中でも事業変革に果敢に取り組み、海外販路の開拓、デジタル技術の活用、多様な人材活用や働く環境整備などの分野で活躍している中小企業の存在感は大きい。
同表彰では「成長戦略・生産性向上」「海外展開」などテーマ別に選定されている。独自の技術やアイデアによって生産性向上に成功した企業、AI(人工知能)を駆使して技能伝承に取り組む企業など、選定された企業はいずれもユニークで、レベルの高い企業ばかりだ。
経産省ではこうした企業の認知度向上を図り、継続的かつ安定的な成長を支援しようと枠組みを整える。優れたモデルを発信することで、それをヒントに日本を支える多くの中小企業のチャレンジや成長していく姿につなげていくことを目指している。
不断の挑戦と地域経済への貢献に敬意
【ごあいさつ】経済産業大臣 赤澤 亮正 氏
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赤澤 亮正経済産業大臣あいさつ
このたび、2025年度のはばたく中小企業・小規模事業者300社に選出されました皆さま、誠におめでとうございます。皆さまの不断の挑戦と地域経済への貢献に深く敬意を表し、感謝を申し上げます。素晴らしい活動を続けておられる皆さまをお迎えをし、一堂に会して表彰できることを大変嬉しく思っております。
日本経済に目を向けると、賃上げや国内投資が約30年ぶりの高水準となっています。名目GDP(国内総生産)も600兆円の大台を超え、700兆円をうかがうなど、日本経済に明るい兆しが現れています。他方、わが国においては、人口減少や少子高齢化に伴う労働供給制約が、中小企業経営における構造的な課題として一層深刻化しております。
この労働供給制約社会においては、中小企業も数より質であり、経済の供給力強化のためにも、強い中小企業・小規模事業者になっていただく必要があると思います。またこうした社会では、賃上げは単なる分配政策というわけではありません。人材を引きつけ、生産性向上投資を促し、企業の構造変容を促進する供給力強化政策そのものであり、成長戦略の起点であると思っています。
そのために、現状維持ではなく、変化に挑む中小企業・小規模事業者の皆さまを徹底的に支援し、必要な連携や再編を促すことで、稼ぐ力の強化と賃上げの好循環を目指してまいります。
今回、成長戦略・生産性向上、海外展開、 GX、DX、人への投資・環境整備の五つの分野から選定されています。受賞を契機として、今後も力強くご活躍いただくことを期待をしております。
(5月29日に開催された授賞式あいさつより一部抜粋)
変革・新規事業活躍に期待
2025年度 「はばたく中小企業・小規模事業者300社」
DX分野
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多くのインド人エンジニアが活躍している
TKEは金属3Dプリンターを活用し、銅製コイルや積層造形(AM)クーラントノズルの開発・製造を手がける。同社の誘導加熱コイルでは、長寿命化により従来品の5―10倍の耐久性を実現し、スペアコイル製造の削減による銅使用量低減を達成した。ガス熱処理から誘導加熱への置き換えにより、二酸化炭素(CO2)排出量を約75%削減するなど環境負荷低減にも寄与している。さらに旋削・研削用ノズルではAM技術を活用し、最適な吐出口形状を実現することで品質不良や廃棄削減に取り組む。
また3D-CAD、3Dスキャナー、CAE、AMを組み合わせたデジタル製造プロセスを確立し、コイル製造のDX化を推進。CAE技術の活用拡大やインドNITTE大学との連携によるデジタル人材確保などダイバーシティ経営にも取り組みながら日本経済の発展に貢献している。
TKE株式会社
TEL:0567―68―8110
https://www.takao-net.co.jp/tke/
成長戦略・生産性向上分野
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特許出願中のウオータージェット工法用自動走行ロボット
創業70年を迎えた川口スプリング製作所は「一世代一事業」の精神の下、時代の変化に応じた事業創出を続けている。初代がスプリング事業を築き、2代目が塗装・FA設備事業へと事業領域を拡大。そして2025年に39歳で代表取締役社長に就任した3代目の鬼塚新二氏は、環境インフラ設備事業を新たな成長の柱として掲げる。
揮発性有機化合物(VOC)対策や脱炭素、省エネルギー化に貢献する環境設備を提供するとともに、国土強靱化計画が推進される中、人手不足やインフラ老朽化といった社会課題に対応する自動化設備の開発にも注力する。
鬼塚社長が就任時に掲げたスローガンは「We Choose the Future(未来は我々が創る)」。受け継がれてきた技術と挑戦の精神を糧に、持続可能で豊かな社会の実現に向けて新たな挑戦を続ける。
株式会社川口スプリング製作所
TEL:048―252―1234
http://www.kawaguchi-spring.co.jp/
人への投資・環境整備分野
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最先端科学技術を支える本社工場
結晶総合メーカーの信光社は横浜市栄区に本社工場を構え、創業79周年を迎えた。
サファイアをはじめとする各種酸化物単結晶を開発・育成・製造し、時計、半導体、航空宇宙、通信、医療など世界の先端産業へ高付加価値製品を提供。スイス高級腕時計向けサファイア製品のほか、重力波観測施設「KAGRA」や小惑星探査機「はやぶさ」プロジェクトなど最先端科学技術を支える。
創業以来、脈々と受け継がれてきた単結晶育成・加工技術と最新技術を融合し、他社にはない“優異化”を追求。自ら道を切り拓く開拓者魂と、できるまでやり抜く挑戦心を大切に、人づくりを経営の柱として社員の成長を支援している。横浜市健康経営認証事業所として働きやすい環境整備に取り組むほか、さかえグリーンサポーターをはじめとする地域貢献活動にも積極的に取り組み、人を育む企業風土を醸成している。
株式会社信光社
TEL:045―892―2171
https://www.shinkosha.com/
