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マルチセル型ストーム 次々に積乱雲
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積乱雲の一生
ゲリラ豪雨とは短い時間に非常に激しく雨が降る状況のことを指し、具体的な降水量については定義されていない。
1976年から85年の10年間における毎時50ミリメートル以上の雨の平均年間発生回数は約226回であったのに比べ、2012年から22年にかけては約332回と約1・5倍に増加している。毎時50ミリメートル以上の雨は道路が大規模冠水するレベルの雨量で、滝のように降る激しい雨を指す。
豪雨の原因は発達した積乱雲。一つの積乱雲の寿命は30分から1時間程度と短いが、急速に発達する積乱雲をレーダーが捉えられないことから予測が困難とされている。
近年では、温暖化による水蒸気の供給が続くことで、強力な積乱雲が寿命を終えても下降気流で次の積乱雲を発生させるサイクルをくり返す「マルチセル型ストーム」に変化している。また、積乱雲は豪雨だけでなく、ひょうや突風被害などももたらす。自動車や農作物をはじめ、野外イベントなどでも被害が報告されている。
浸水被害防止 ハザードマップなど情報収集を
都市部上空の積乱雲発生はヒートアイランド現象も関係している。アスファルトで舗装された道路などが日射熱を蓄積しやすい点や、建築物の高層化・高密度化による風通しの悪さで気温が下がるタイミングを逃してしまう点が、ヒートアイランド現象を発生させ上昇気流を強めている。
被害を避けるためには、自分の居住区のハザードマップなどで浸水害の危険性を改めて確認することが重要だ。自治体が進める対策だけでなく、個人でも情報を集めて状況を判断することが被害防止につながる。
的中率8割 豪雨の卵で予測
日本気象協会は3次元で雨を観測する高精度レーダー「XバンドMPレーダ」のデータを活用し、局地的豪雨の前触れとされる「豪雨の卵」に着目して予測技術を確立している。上空で形成した降水粒子を豪雨の卵と呼び、その大きさや膨らみ、形、風の渦の4点を基に、地上に雨が降る15―20分前から約80%の的中率で予測する。
豪雨の卵が縦長形の時は上昇気流が強いため局地的豪雨の危険度が高く、一方で扁平形は広い範囲に雨をもたらすものの危険度は低い。また、豪雨の卵の雨域で観測される風の渦が指標になり、豪雨になるかそうでないかの予測材料になっている。
気象データの解析や処理について同協会の片山勝之氏(事業本部社会・防災事業部防災マネジメント課水防グループ・グループリーダー)は「データは細かく、1分ごとに更新されるためビッグデータ(大量データ)化している。データの処理速度を上げ続けることで、より詳細かつ的確なデータ解析が求められている」とこれからの気象予測の課題を述べた。
