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下水道展’25 大阪(2025年7月)
下水処理、管路資器材、維持管理、設計・測量など下水インフラに関する製品・技術が集う「下水道展’25大阪」が、7月29日から8月1日までの4日間、大阪市住之江区のインテックス大阪で開催される。主催は日本下水道協会。開場時間は10時(初日10時半)から17時(最終日16時)まで。入場無料。ウェブでの事前登録制。
国内最大規模 最新技術・機器が集結
上・下水道 世界54兆円市場/日本 “老朽化”深刻 自治体—点検・改修急ぐ
上・下水道市場は成長が著しく、米国の調査会社メティキュラス・リサーチによると世界の上・下水道分野の市場規模は2024年で約3672億ドル(約54兆円)にのぼる。さらに34年には約6516億ドル(約97兆円)まで成長すると見込まれている。
一方、日本国内では下水道管の老朽化が深刻な問題となっている。22年度は破損した下水管による路面陥没が、全国で約2600件発生した。
24年元日には能登半島を襲った大地震により液状化や地滑りが各地で発生した。さらに水道管の耐震化が遅れていたため断水が長期化した。
今年1月、埼玉県八潮市で路面が陥没し、走行中のトラックが穴に転落する事故が発生。下水道管の老朽化による破損が原因とみられる。事故後、下水道管のバイパス工事や掘削工事が行われた。この事故はインフラの老朽化が引き起こす深刻なリスクとして、世間の注目を浴びることとなった。
これらをきっかけに、全国の自治体は下水道管の点検や改修の必要性を改めて認識しており、国による対策強化を求める声も高まっている。
国土交通省などは、インフラの総点検と更新計画を盛り込んだ「インフラ長寿命化基本計画」を推進する。30年度までに主要管路の更新を完了させる予定だ。
23年度末における日本の下水道管渠(きょ)の総延長は約50万キロメートル。老朽化が進む地方自治体の下水道施設について、国は「ストックマネジメント」を導入している。施設全体の状態を中長期的に把握し、リスクに応じて優先順位をつけ、事業費の平準化やコスト削減を図る。下水道施設全体を見据えて、維持管理と改築を一体的に捉えた効率的な運用が求められる。
先端技術の導入や、民間企業との連携による整備の加速も急務となる。
研究発表・セミナー…多彩なイベント
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最先端技術の発表に注目が集まり、会場を待つ来場者が列をつくった(下水道展’24東京)
下水道展は下水道事業の管理者である地方公共団体などを対象に、下水道に関する幅広い分野の最新技術・機器などを展示、紹介する国内最大規模の展示会。今回は350社・団体が1186小間で出展する。
会場では老朽化した管渠の更新に最適な工法や設備・機器などが紹介される。雨水排水能力の増強や耐震性の向上などを図る製品・技術・サービスも見られる。このほか高効率な設備・機器の導入による省エネルギー化や、下水熱・バイオマスなど下水道の持つ資源を活用する取り組みなども提案される。
会場は下水処理ゾーン、管路資器材ゾーン、維持管理ゾーン、建設ゾーンなどに分かれる。また下水道について理解と関心を深める「一般来場者向けゾーン」を設ける。大阪府や東京都をはじめとした自治体・団体の展示が見どころだ。
特別企画などのセミナーも行われる。7月30日13時45分から2号館右側会場で、日本下水道事業団主催の「トイレの紙さま」と題したセミナーが行われる。子どもたちと一緒にトイレに流せる商品を水とシェイクして溶けるかどうかを実験し、下水道の正しい使い方についてわかりやすく解説する。
併催行事として日本下水道協会主催の「第62回下水道研究発表会」が別会場のATC O‘s南コンベンションルーム・会議室で開催される。今年のテーマは「下水道×イノベーション—新しい地平線を切り開くのはアナタです—」。
1964年に始まり、下水道分野の研究者・実務者が一堂に会する国内最大規模の発表会。研究成果や経営に関する実務事例が披露され、情報交換を通じて下水道事業の発展と技術の高度化を図る。
このほかセミナーなどの併催企画が多数行われる。詳細は下水道展ホームページ(www.gesuidouten.jp)へ。
