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フォークリフト
フォークリフトは物流施設や工場での積み替え・搬送の中核を担い、荷役作業を行う現場で広く使われている。中・小型機種を中心にバッテリー式が主流となり、現場環境のクリーン化や、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)への取り組みなどから、燃料電池(FC)搭載モデルへの期待も高まっている。幅広い現場で人と協働するフォークリフトは、安全対策の徹底とともにユーザーの安全意識の向上も求められる。
「バッテリー式」シフト進む
日本産業車両協会の調べによると、2024年のフォークリフトの国内販売と輸出の合計台数は10万170台で、バッテリー式の割合は66%、ガソリン式12・5%、ディーゼル式21・5%だった。バッテリー式の比率は1994年が33%、2004年36%、14年43%と、フォークリフトの動力はバッテリー式へのシフトが進んでいる。バッテリー式は排ガスが出ず、音も静かなため、工場や倉庫、物流施設といった建屋内での作業が多い現場で好まれる。また、構内で使用する場合は、充電設備への不安もない。
燃料電池タイプ脚光
一方で、24時間稼働する物流施設などのユーザーには、非常に短時間で燃料を充填できる燃料電池(FC)を搭載したフォークリフトが魅力だ。FCフォークリフトは稼働時に二酸化炭素(CO2)を排出しないといった高い環境性能があり、企業のカーボンニュートラルへの取り組みを後押しする。加えて、通常のバッテリー式フォークリフトよりもはるかに長く、連続稼働できるなど、運用面でのメリットが大きく、クリーンなフォークリフトとして注目されている。
安全意識の向上徹底
フォークリフトは物流施設での荷役作業や工場の受け入れ・出荷に欠かせない産業車両だ。重量物を持ち上げる荷役能力、自由に移動できる機動性がフォークリフトの特徴だが、一瞬の不注意や誤った使い方で大きな事故につながりかねない。
24年にはフォークリフトが関係する労働災害で1953人の死傷者が発生し、うち16人が命を落としている。死傷者数は23年から減少したが、引き続き安全対策の徹底が求められる。
事故のタイプを見ると「はさまれ・巻き込まれ」が683人と最多で、続いて「激突され」が564人、「墜落・転落」が215人、「激突」が148人となっている。業種で見ると「運輸交通業」が641人と最多で、続いて「製造業」が581人、「商業」が305人、「貨物取扱業」が182人となっている。事故原因は運転操作ミスや安全確認不足、速度の出し過ぎなどがあり、ユーザーにはよりいっそうの安全意識の向上が求められている。
「安全の日」開催
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安全な取り組みを啓発する「フォークリフト安全の日」(日本産業車両協会提供)
フォークリフトなどのメーカー団体である日本産業車両協会は、安全啓発への取り組みを強化するため、21年度から7月第1週を「フォークリフト安全週間」とし、フォークリフトの事故防止、安全確保の徹底について情報発信している。
フォークリフト安全週間のメインイベントとして7月4日に「フォークリフト安全の日」が女性就業支援センターホール(東京都港区)で開催され、150人が参加した。
会場では「フォークリフトに起因する労働災害発生状況」「フォークリフトの安全技術の取組み」「フォークリフトの安全な使用に関するユーザーの取組み」などのテーマで報告・発表が行われ、フォークリフトの安全に関わる製品やサービスの紹介コーナーも設けられた。
