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フォークリフト
物流施設や工場での積み替え・搬送の中核を担うフォークリフトは中・小型機種を中心にバッテリー式が主流となっている。現場環境のクリーン化や、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)への取り組みなどから、燃料電池(FC)搭載モデルへの期待も高い。一方、フォークリフトは人との距離が非常に近い機械だ。ユーザーの安全意識の向上とともに安全対策の徹底も求められる。
現場環境のクリーン化・脱炭素を推進
バッテリー化シフト進む/燃料電池搭載で環境性能
日本産業車両協会の調べによると、2023年のフォークリフトの国内販売と輸出の合計台数は10万7239台で、バッテリー式の割合は64%、ガソリン式14%、ディーゼル式22%だった。バッテリー式の比率は1993年が32%、2003年36%、13年43%で、この間、フォークリフトの動力はバッテリー式へのシフトが進んでいる。
バッテリー式は排ガスが出ず、音も静かなため、工場や倉庫、物流施設といった建屋内での作業が多い現場で好まれる。また、構内で使用する場合は、充電設備への不安もない。充電時間も終業後に充電するなど、運用面での工夫で改善が可能だ。
しかし、24時間稼働する物流施設などのユーザーにとっては、車両の運用が停止する充電時間はできるだけ短くしたい。そうしたユーザーには、非常に短時間で燃料を充填できる燃料電池(FC)を搭載したフォークリフトが魅力だ。
FCフォークリフトは稼働時に二酸化炭素(CO2)を排出しないといった高い環境性能があり、カーボンニュートラルへの取り組みを後押しする。加えて、通常のバッテリー式フォークリフトよりもはるかに長い連続稼働時間、燃料(水素)充填が短時間で可能など、運用面でのメリットが大きい。
運用に不可欠な水素充填設備の整備に多額の資金がかかるなどのハードルもあるが、クリーンなフォークリフトとして注目が集まっている。
安全意識の向上徹底
フォークリフトは物流施設での荷役作業や工場の受け入れ・出荷に欠かせない産業車両だ。重量物を持ち上げる荷役能力、自由に移動できる機動性がフォークリフトの特徴だが、一瞬の不注意や誤った使い方で大きな事故につながりかねない。
23年にはフォークリフトが関係する労働災害で1989人の死傷者が発生し、うち22人が命を落としている。死傷者数は22年から減少したが、引き続き安全対策の徹底が求められる。
事故のタイプを見ると「はさまれ・巻き込まれ」が689人と最多で、続いて「激突され」が547人、「墜落・転落」が232人、「激突」が188人となっている。業種で見ると「製造業」が646人と最多で、続いて「運輸交通業」が626人、「商業」が296人、「貨物取扱業」が172人となっている。事故原因は運転操作ミスや安全確認不足、速度の出しすぎなどがあり、ユーザーにはよりいっそうの安全意識の向上が求められている。
メーカー団体である日本産業車両協会では安全啓発への取り組みを強化するため、21年度から全国安全週間である7月第1週を「フォークリフト安全週間」とし、フォークリフトの事故防止、安全確保の徹底について情報発信を実施している。