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ドローン飛行/大型チッパー実演
「森林・林業・環境機械展示実演会」は毎年、全国育樹祭の記念行事の一環で開催されている。今年は市内からのアクセスが良好なため、会期2日間で一般来場者を含め、1万人程度の来場者数が見込まれている。出展社も昨年から増え、79社・団体が集結する。
昨年の会場・大分県の「RECAMP別府志高湖」では、九州地方特有の急峻(きゅうしゅん)な山肌に適した小型―中型の林業機械が多く出品。会場も山林に植わる樹木を実際に伐倒するなど、臨場感にあふれた演出が披露された。今年は全体で6ヘクタールの平地を会場として用意。一番大きな出展小間は約2500平方メートルで、コマツや松本システムエンジニアリング、コベルコ建機販売など10社弱が大規模小間内で、汎用性の高い大型から中型の林業機械を展示する。特に昨年は会場が狭くて披露できなかった大型チッパーなどに注目が集まる。また、実際の林に見立てて丸太を設置し、伐倒などの実演を披露する。
隣接する運動場では諸岡やリョーキ、住友林業などがドローン(飛行ロボット)の飛行実演を行う。それぞれ実演時間が決まっているので事前にチェックしておきたい。
近年、山や林の地形解析調査、森林資源の把握や、軽量な資材の運搬用にドローンを活用する事例が出てきている。これまでは人が現地まで足を運んで調査していたところをドローンを使用することで作業効率化、省人力化を図れる。また、植林区域での苗木が鹿などによって食べられてしまう事案が多発している。苗木保護用として野生動物避けネットなどの資材を運ぶのに、ドローン活用が提案されている。
最寄りの駅から会場まで、10分間隔で循環シャトルバスが運行する。また会場に隣接する駐車場も確保されており、普通乗用車約700台、大型バス30台以上が駐車可能だ。
近年、多くの林業機械は操作性の向上などにより、熟練者でなくても簡単に効率よく安全に運転・操作できるように進化している。
特に人身事故防止に努めており、各社とも「人が木に触れない」伐倒作業を提案している。伐倒作業中に倒れてきた木の下敷きになる事故が多発しており、作業員を操縦室で守ることのできる林業機械を使った伐倒作業や、リモコン操作、自動操縦機器などの提案に力を入れる。また、切り倒したと同時に木材データを自動集計するなど林業機械のICT化、IT活用が人手不足の叫ばれる林業への効率化・省人力化の一手となろう。
13日は茨城県の「県民の日」でもあり、隣接する運動公園ではイベントを開催。その流れで一般来場者も多く集まると予想される。「林業機械のすごさ、迫力を一般来場者にも目近で感じてほしい」と、林業機械化協会の石井晴雄専務理事は来場者増加に期待する。
ごあいさつ/展示実演に創意工夫
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林業機械化協会 会長 島田 泰助 氏
「2023森林・林業・環境機械展示実演会」は、第46回全国育樹祭記念行事として、茨城県との共催で11月12―13日にひたちなか市、那珂市、東海村にまたがる笠松運動公園の一部をお借りして開催いたします。
会場は茨城県のご尽力で大型機械の展示実演などを行う南側駐車場部分6ヘクタールと、ドローンの実演を行うスタジアムを確保することができ、大中規模ブース39、小規模ブース37、総勢79社・団体が出展します。また、ドローンの実演は2日間で20回(1回当たり30分)が予定されています。
直近2回の林機展は、新型コロナ感染症拡大の影響などで森林・林業関係者を中心に3000人前後の来場者にとどまりました。今回の会場は、常磐自動車道那珂インターから7キロメートルと近く、また、東京から常磐線経由で2時間程度と、交通の便が大変良い場所にあります。さらに、13日が茨城県民の日の休日となることから、林業関係者だけでなく、林業機械に全く触れたことのない皆さまも多数来場くださると見込まれ、2日間の来場者数はコロナ前の水準以上になるものと予想しています。
林機展では毎回、出展各社が創意工夫をこらした展示実演などで最新の機械などの魅力や特色をアピールします。今回も最新の林業機械を実際に見てそして触れていただき、林業機械などが森林・林業の今日に活力を与え、将来に希望をもたらすことを理解していただければと期待しています。