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食品産業の安全と品質管理
日々の生活の基本となる「食」を扱う食品産業は、我々にとって身近な存在であり、食品産業における安心・安全の確立は第一に考慮されるべき基本的な要件だ。加工設備や工場の衛生対策などを怠り、事故やトラブルを起こせば不信を招くだけでなく、企業経営に重大な影響を与える。ただ異物混入や健康被害の発生など近年、食品の安全・安心を危うくする出来事は後を絶たず、安全や衛生に対する消費者の意識、要求レベルは一段と高まってきている。
消費者が意識、要求高まる
食品産業では自動化による生産効率化、機器の耐久性向上のほか、メンテナンス性など安心・安全をより確実にするための対応が追求されるようになっている。トラブルや被害の発生を防ぐ安全機能を搭載した食品加工機や搬送装置、分析・計測装置などが開発され、市場投入されている。また食品包装のコーティング剤などに使われてきた有機フッ素化合物(PFAS)は、環境問題から欧州などで規制強化の動きにあり、関連メーカーによる代替素材開発が加速している。
一方で、工場のFA化で生産効率がアップしても、虫など有害生物が食品に近づけたり、菌が繁殖しやすい場所があったりすれば、これらの混入・汚染リスクを回避するのは困難という。このため、菌汚染の発生原因を解明し、根絶に向け工場や調理工程の改修も含めたコンサルティングを行う企業もある。
店舗や建物に入る前に靴底に付着した泥などを落とすエア吸着機や、全身に除菌ミストを噴射する装置なども販売されており、センサー技術を活用した非接触対応の機器なども増えている。コロナ禍が明けても引き続き感染予防や衛生管理のレベルアップは図られている。