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食品産業を支える製品・技術
食品産業は我々の生活に必要不可欠な産業だが、人手不足などが喫緊の課題となっている。日本では国をあげて自動化・省人化が推進されており、ロボットやAI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)などのさらなる活用が期待される。また衛生管理や環境問題の解決も求められ、企業は関連製品や技術の研究・開発に励む。
人手不足 省力化投資、政府が促進
食品製造において、大きな課題となっているのが自動化・省人化の推進だ。今年6月13日に「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025年改訂版」が閣議決定された。その中で、食品製造業を含む人手不足が深刻な業種は、業種別の「省力化投資促進プラン」に基づき29年度まで集中的な省力化投資を促進することが定められた。
食品製造業の同プランでは、各事業者の実態に応じた目標が設定されたほか、包装充填機、ロボット、監視システムなどの導入事例や、食品製造業向けの資金繰り支援、補助金などが示された。
生産性向上「フォーラム」創設
また農林水産省は6月10日に「食品企業生産性向上フォーラム」を創設した。食品製造現場における人材育成、企業間のネットワーク構築、スタートアップとの連携などを通じて、企業をサポートしていく。
またAIやIoTなどの最先端テクノロジーを用いて、食に関する課題を解決する「フードテック」もトレンドとなっており、スタートアップの参入も多く見られる。機械やロボット、多様なデジタル技術を組み合わせ、1工程のみでなく工場やライン全体を自動化する動きも進む。それに伴い、生産管理システムの導入も加速している。
食品製造が抱える課題は自動化・省人化だけではない。微生物や化学物質、異物などの混入は人々の健康に影響を及ぼすため、厳しい衛生・品質管理が求められる。
21年に食品衛生管理基準「HACCP」に沿った衛生管理が義務付けられ、その意識は一層高まった。現場では追加の人員配置や業務フローの見直し、運用コストの増大などの負担が増えたケースもあり、より安くて簡単に衛生管理を行える製品・技術の開発が期待される。
また環境負荷やフードロスの低減も求められている。企業は省エネルギーな機械や、食品残渣(ざんさ)を削減、再利用するシステムなどの開発・提供に取り組んでいる。
食品工場Week東京 きょう開幕
「第6回食品工場Week東京」が、3日から5日まで、千葉市美浜区の幕張メッセで開かれる。自動化・デジタル変革(DX)、食品衛生、資源循環など、食品工場における課題を解決するソリューションが提案される。主催はRX Japan。飲食店向けの製品・技術が集まる「第4回飲食業界イノベーションWeek」も同時開催される。
