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食品産業を支える製品・技術
「食」は我々が生きていく上で必要不可欠で、〝おいしさ〟という面で生活を豊かにもしてくれる。食品産業は今後も必要とされ続ける産業だが、人手不足などが課題とされており、自動化・省人化技術の活用が求められている。我々の健康を守るため、衛生管理に寄与する製品・技術の開発も進む。
フードテック
食料不足・フードロス-改善 自動化・省人化-推進
経済産業省の「2023年経済構造実態調査 製造業事業所調査 産業別統計表」によると、日本の食品製造業の事業所数は中小および零細企業が97・6%を占める(2023年7月時点)。日本は労働人口の減少や高齢化が進んでおり、食品産業においても生産性の向上が必要とされている。しかし、食品製造業の労働生産性はほかの製造業と比べて低く、労働装備率もほかの製造業と比べて低い。
日本の食品製造業は①検品や盛り付けなどを人に頼っている労働集約型②低温・高温な環境での作業、刃物を使った危険な作業があるなど、作業者にとって過酷な環境③消費者の嗜好(しこう)の多様化に対応するため、多品種少量生産が必要-といった課題があり、中小・零細企業においても人手に頼ってきた工程を見直し、自動化・省人化を推進することが求められている。
近年、「フード」と「テクノロジー」を組み合わせた「フードテック」という言葉が広がってきている。人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)などの最先端テクノロジーを用いて、食に関する課題を解決していくというもの。機械やロボットの導入はもちろん、フードテックの活用による自動化・省人化も今後は進むと考えられる。フードテックは世界の人口増加による食料不足の解消、フードロスの削減、食の安全性向上、多様な食習慣ニーズへの対応などにおいても期待されている。
HACCP 衛生管理で食の安全
また、食品は人々の健康を左右するため、食品を扱う場面では厳しい衛生管理が求められる。21年6月1日に、食品衛生管理基準「HACCP」に沿った衛生管理が制度化された。それまでの衛生管理の多くは、最終製品が規定基準を満たしているかどうかを検査することで安全性を確認していた。HACCPに沿った衛生管理では、原料の受け入れから製造、製品の出荷までの各工程において、健康被害を引き起こす可能性のある危害要因(ハザード)を継続的に監視・記録することで安全性を管理する。
微生物、5分で測定/細胞を染色、画像認識
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「バクテスターMP1」は微生物を5秒で測定。HACCPに沿った衛生管理に貢献する(GSIクレオス、セントラル科学貿易提供)
こうした中、GSIクレオスグループのセントラル科学貿易(東京都江東区)はHACCPに沿った衛生管理に役立つ装置を提案している。同社は2017年からNPC(福岡市博多区)の微生物蛍光画像測定機「バクテスター」を販売してきた。
日本では培養法による微生物検査が普及している。培養法では菌を48時間培養し、できたコロニーの数から換算して生菌を測定するのが一般的なため、結果が出るまで時間がかかる。
バクテスターは微生物の測定にかかる時間を大幅に短縮する。検体に専用の試薬を加えて菌の細胞を蛍光染色し、メンブレンフィルターで濾過、フィルターを同機にセットすると生菌・死菌(損傷菌)を一つから、画像認識によって5分で測定可能。パソコンで撮影画像を表示し、測定データを記録できる。
来春には性能を向上させた「バクテスターMP1」の発売を予定している。現行のバクテスターは242コマ撮影していたが、同MP1は広範囲を一発で撮影するため、わずか5秒と現行機よりもさらに短い時間で測定できる。重量も約8・5キログラムから約1・5キログラムへと大幅に軽量化し、価格も下げて販売予定。コストを抑えて、微生物汚染原因の早期特定、汚染拡大の抑止、製品の自主回収リスクの回避などができる。