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フィルム・シート・紙加工機
フィルムやシート、紙の加工機は、食品や医療、印刷、エレクトロニクス分野など幅広い分野で活用される各種機械。加工対象物(ワーク)の用途に応じて活躍している。ワークとなる素材市場では、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが進む。環境対応素材の活用やプラスチック使用量の削減、リサイクル性の向上などといった動きが活発化している。これに応えるべく、加工機メーカー各社では新たな技術開発に力を入れている。
高度化するニーズに対応
多様な環境対応への取り組み
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素材市場では環境対応に向けた取り組みが活発化(2025年高機能素材Week大阪)
フィルムやシート・紙の加工機は各工程に応じてさまざまな機能を施す。加工機のニーズとして、ワークの性能や品質の安定化、作業効率向上などがある。
ワークとなる素材の市場では、脱炭素社会の実現に向けた取り組みとして、環境対応素材の開発、プラスチック使用量の削減などがある。これに対する加工機メーカー各社の環境対応への取り組みはさまざまだ。メーカーの中には、機能性素材の試作・開発が可能な小型押し出し機を展開している。試作が少量から行えるため材料が節約でき、小型・省スペースで導入コストが低い。また別のメーカーでは、ゴム製にすることでフィルム巻き取り時の段差を解消する巻き取りコアを展開している。これは段差跡によるロスを減らすだけでなく歩留まり向上にもつながる。各社の強みを生かした取り組みが、業界の競争力強化にも貢献している。
機能性エレフィルム市場拡大
一方で、エレクトロニクス分野でも機能性フィルムのニーズが高まっている。富士キメラ総研がまとめた機能性エレクトロニクスフィルムの世界市場調査によると、2030年の基板・回路分野の市場規模は23年比72・3%増の1兆3138億円になると予測した。
フレキシブルプリント基板(FPC)が電動車用のリチウムイオン電池(LiB)向けに需要が伸びている。またリジット基板に使用されるフィルムも、データセンター(DC)関連機器の用途で需要が伸長。特にAI(人工知能)サーバー向けに需要増が期待される。
これらの製造工程では、ラミネーターや塗工機、打ち抜き機、切断機などの加工機が各工程で活躍している。今後の需要拡大に伴いフィルムの開発・量産対応が進む中、加工機も加工速度や生産性の向上が求められている。加工機メーカー各社の技術力が発揮される。