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フィルム・シート・紙加工機
フィルムやシート、紙の加工機は、電子機器をはじめ食品、医療、印刷など幅広い分野で活躍する各種機械。フィルムや紙などの加工対象物(ワーク)の性能や品質を支えている。ワークとなる素材の市場では、環境配慮の取り組みが進み、リサイクル性向上や脱石油といった動きが活発化している。これに伴い、加工機メーカー各社は、環境対応の素材開発をサポートする加工機を展開している。
フィルム・シート・紙加工機
環境対応素材の需要増 安定品質を実現
フィルムやシート、紙などの二次加工で活躍する加工機は、塗工機やラミネーター、切断機、スリッター、乾燥機、打ち抜き機など多種多様にある。それぞれ、液体の塗布や切り分け、貼り合わせ、乾燥などといった工程で存在感を発揮している。
塗工機はワークに目的に応じた機能を付与する。撥水(はっすい)性や抗菌、帯電防止などの機能をワークに持たせることで、製品の付加価値を高めている。切断機はワークを適切な形状に裁断する。これらの加工機が製品品質を保ち、生産効率化やユーザーの競争力向上に貢献している。
ワークとなる素材の市場では、脱炭素社会実現に向け、環境に配慮した素材のニーズが高まっている。富士キメラ総研がまとめた「2024年 プラスチックフィルム・シートの現状と将来展望」によると、プラスチックフィルム・シート41品目の国内市場は2027年には23年比6・2%増の1兆8026億円と予測されている。
フィルム市場は脱プラスチックニーズの高まりを背景に、紙への代替や薄肉化といった動きがみられる。一方で、リサイクル対応やバイオマス、生分解性などの原料を使った環境対応型製品の需要が増している。
こうした環境対応のフィルム、紙など新たな素材の開発・採用が活発化する中で、加工機の機能もニーズに即して進化を続けている。加工機メーカーは環境対応など、機能性フィルムの試作・開発に対応した加工機を数多く市場に投入している。
あるメーカーでは、事前混合をなくした計量混合装置を売り出している。原料を混ぜる・溜(た)める・送るといった工程を省いたことで、混合ムラの要因となる静電気の発生による付着やペレット原料の比重差による分離を防ぐ。同製品は原料供給装置と混合制御を融合したことで、高い混合精度を可能とし、安定した製品品質を実現する。
こうした加工機メーカーの製品・技術力が製品開発の現場を支えている。