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玉掛け作業 効率的・安全に
荷役・運搬の作業負担軽減
繊維スリングは荷物をクレーンのフックなどに掛けたり、外したりする玉掛け作業に使われ、平ベルト状のベルトスリングと、繊維をロープ状に束ね保護カバーで覆ったラウンドスリングに大別される。金属製のワイヤロープやチェーンと比べて軽く、少人数で扱えるメリットもある。かさばらず収納・保管がしやすい点でもユーザーに支持されている。
市場では日本産業規格(JIS)Ⅳ等級適合の製品の浸透が進んでいる。中でも、従来のⅢ等級と同じ幅で強度を向上し、最大使用荷重をアップしたⅣ等級の製品は、耐久性や利便性が評価され、新製品が続々と投入されている。最大使用荷重が同じであれば狭いベルト幅の製品に切り替えることで、コストダウンも図れる。
またアラミド繊維などを使用した高耐荷重のタイプは、繊維の伸びがほとんどなく、非吸湿性、耐摩耗性に優れ、屋外作業でも高い強度を持続する。このため、波消しブロックやケーソンの施工といった港湾工事などで活躍している。
環境分野の市場開拓の動きもある。特に、安定した風が吹く洋上風力発電の市場への期待は高く、洋上風力発電の風車ブレードの運搬などにも活用されている。今後、こうした成長市場の取り込みへの動きも活発化していくものとみられる。
メーカー各社は製品ラインアップの拡充や機能強化によって作業負担軽減やコスト削減といったニーズに応えようとしている。安全性を最優先に、新たな需要獲得への取り組みが続けられている。