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省エネ機器&ソリューション
昨今のエネルギー価格の高騰を受け、省エネルギーの重要性はますます高まっている。工場やビルでは設備効率の向上や運転最適化、エネルギーの見える化などで省エネを推進できる。特に電力使用割合の大きい設備は省エネ効果が出やすい。各所の運用方法を見直すとともに、最新の省エネ機器やソリューションの採用で、省エネや環境対応を高度化できる。
大規模プラント向け 制御高度化ソリューション
工場での無駄なエネルギー消費を抑えるには、設備の効率的な運用が重要となる。現場の勘に頼るのではなく、設備の稼働データなどを活用して、運用最適化を図りたい。
アズビルは工場のエネルギー効率を向上させる制御高度化ソリューションを提供している。同社は多変数モデル予測制御「SORTiA-MPC」を、エネルギー使用量が多い蒸留塔や動力プラント、空気分離装置などに向けて提案する。
例えば、工場では生産量の変動に応じて、エネルギー需要が常に変化する。そのため、各種の制約条件を満たしながら、総エネルギー消費量を最小限に抑える「最適な運転状態」は、場面ごとに変わる。ボイラや蒸気タービンなどの各装置の運転条件や外的要因が複雑に影響するため、人手不足が進む中、人が常に最適な運転状態を維持することが難しくなっている。
SORTiA-MPCは制約対象の装置情報を数式化したモデルを持つ。このモデルに基づいて最適な運転状態を算出し、現在の状態から最適な状態への移行を制御する。この制御により、工場へのエネルギー安定供給を維持したうえで、総エネルギー消費量を最小化する。
動力プラントの導入例では、二酸化炭素排出量を2-3%削減し、年間コストを5000万円-3億円削減している。導入コストは大規模なプラントの場合で1億-2億円。これまでに約80件の納入実績がある。
昨年、同アプリケーションにAI(人工知能)機能を追加した。設備の経年変化などにより生じるMPCモデルと実プラント挙動の差異をAIで常時監視し、必要に応じて最新の実プラント特性を反映したモデルを提案する。モデル調整をAI機能で自動化することで、省エネ制御性能維持に伴う現場負荷を抑え、長期の安定運用を支える。
省スペース 高機能インバーター
多くの工場では、モーターを通して消費されるエネルギーが総エネルギー消費量の大半を占める。インバーターの導入やモーターの高効率化を図ることで、大幅な省エネが期待できる。
安川電機はモーター技術や電力変換技術を生かした省エネソリューション対応機器を多数ラインアップする。データセンター向けを含む空調用途をはじめ、身近な省エネ対策として、工場や機械設備の動力部分に同社機器を搭載することで、消費電力削減を推進している。
特に、電圧や周波数を変えてモーターをコントロールするインバーターの導入や、誘導モーターから永久磁石(PM)モーターへの置き換えでは、機械設備の稼働時間が長いほど省エネ効果が大きい。また、モーターが発電した電力(回生エネルギー)を電源側に戻して有効活用するコンバーターの利用や、駆動機器類を直流結合することで、消費電力を最小化する「DCマルチリンク」の提案も行う。
同社の高機能インバーター「GA700」「GA500」は、PMモーターの駆動に新技術を採用した。従来製品と比べて運転効率が向上し、電力を最小限に抑えられる。また、機械や設備の稼働データをインバーターが監視し、異常兆候を検知することで、機械や生産ラインの安定稼働につなげる。さらに周辺機器の機能を本体に取り込むことで、省スペース化や省配線化にも貢献する。
新シリーズ「エコPMモーター フラットタイプ」との組み合わせでは、省スペースかつ高効率な運転が可能となる。同製品は産業用モーターの効率規格で最高レベルの「IE5」基準をクリアしている。フラット構造でモーター長が最大70%短縮され、機械の小型化を実現する。
中央監視システム 校舎設備を一元管理
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体育館の防球ネットや空調、照明などの設備をスマートフォンで操作する(内田洋行)
教育現場でも省エネの動きが見られる。内田洋行はオフィス環境の快適性や働く人の生産性を向上する環境作りを行う。そこで培った同社の技術を教育施設にも展開している。
2025年8月に開校した「ラベンダーの杜中富良野町立なかふらの学園」では、校舎全体の建物設備を管理・運用する中央監視システムを構築した。同校は1次エネルギー消費量を50%以上削減した建築物に与えられる「ZEBレディー」認証を道内の義務教育の施設として初めて取得している。
同社の中央監視システムはオープンシステム技術により、空調や照明、太陽光発電など複数のエネルギー設備を連携させ、建物全体の設備を一元管理する。その機能を生かし、同校舎ではエネルギーの見える化と最適化を図っている。システムはクラウド上に構築しているため、設備の保守を遠隔で行えるメリットもある。
内田洋行スマートビル推進部の担当者は「空調・照明・シャッターなどの設備をスマートフォンで一元的に操作したいと、学校側から要望があった」と話す。授業前に空調や照明、体育館の防球ネットなどを遠隔で起動したり、授業後にスマホで設備をオフにしたりといった操作が可能なため、教職員の負担を大幅に軽減したという。
そのほか内装のデザインや什器・備品、図書館の自動貸し出しシステムなどを提供している。同社はこのモデルを元に、全国の教育施設で中央監視システムを広げていく方針。現在4件の引き合いがあるという。
