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エネルギーについて考えよう!
再生可能エネルギーはカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)を実現する手段として、世界で導入が加速している。国内で「第7次エネルギー基本計画」の策定が2024年内をめどに進められる中、アゼルバイジャンで開催された国連の気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)では、東京都の小池百合子知事がクリーンエネルギーの普及に関する新たな取り組みを発表した。途上国の気候変動対策支援のため、先進国による年3000億ドル以上の資金支援に合意した。今後再生エネが途上国にも普及していくのか、注目される。
第7次エネ計画策定 年内
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COP29に参加した小池都知事
(東京都環境局提供)
再生エネは温室効果ガスを排出しない脱炭素エネルギー源であり、日本のエネルギー安全保障にも寄与できる重要な国産エネルギー源。「第6次エネルギー基本計画」では再生エネ最優先の原則を踏まえ、国民負担の抑制や地域との共生を図りながら最大限の導入を促していくとされている。
政府は10月31日に「グリーン・トランスフォーメーション(GX)実行会議」を開き、「第7次エネルギー基本計画」を年内にまとめる方針を決めた。第7次エネルギー基本計画の議論の進捗としての共通認識は、徹底した省エネルギーの重要性は不変とする半面、大幅な省エネ効果を見込んだとしても将来の電力需要は増加する可能性がある点。電力需要の増加への対応は、脱炭素電源の拡大として再生エネと原子力がともに必要となる認識も示している。
石破茂首相はGXの最大のポイントを「支援策と規制・制度的措置を一体的に講じることで、政府の支援策の効果を最大化させる点」として、自治体との連携を強化する考えを示した。
太陽光発電/洋上風力発電
「発電する未来都市」東京都、COP29で表明
11月11日-24日の14日間、アゼルバイジャンの首都バクーでCOP29が開催された。東京都の小池知事は太陽光発電や水素、洋上風力発電などに関する新たな取り組みを表明した。あらゆるエリアで発電可能な「発電する未来都市」の実現を目指し、世界の脱炭素に貢献する。
新築住宅に太陽光パネル
東京都は25年4月から日本で初となる大手ハウスメーカーが供給する新築住宅への太陽光パネル設置を義務づける制度を開始する。
100万kW級 浮体式洋上風力
COP29で、都はさらに次世代型ソーラーセルの実装や、伊豆諸島海域での浮体式洋上風力発電の出力1ギガキロワット級の大規模洋上風力発電計画などを明らかにした。時期など具体的な内容は未定。伊豆諸島の2町6村協議を進め、設置場所や自然環境などを検討していく。
水素エネルギー
水素吸引所 始動 年度内
また、水素取引所の立ち上げに向けた、世界初となる市場形式「グリーン水素のトライアル取引」を今年度から実施することも都は明らかにした。グリーン水素は製造コストが高く、生産量が少ないことなどから、現状では取引市場がない。都は販売価格と購入価格をそれぞれ入札し、価格差を支援する方針。また、水素の普及のために都有地でのグリーン水素の製造拠点整備やパイプラインを含む供給体制の構築に取り組む考えを示した。
そのほか、議長国であるアゼルバイジャン政府は世界のエネルギー貯蔵容量を30年までに22年比の6倍以上に当たる1500ギガワットまで引き上げる誓約を発表し、日本もこれに賛同した。
COP29合意 途上国支援 年3000億ドル
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東京都では25年度から新築住宅に
太陽光パネル設置を義務づける
COP29では途上国の気候変動対策を先進国が支援する「気候資金」の資金額が大きな争点となった。協議は難航し、会期を2日間延長しての閉幕となった。日本を含む先進国は、支援金額を現在の3倍以上とする少なくとも年3000億ドル(約46兆4000億円)とする目標で合意した。公的資金をきっかけに、再生エネの技術や設備の導入を途上国に促せるかが重要となってくる。