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電動工具&作業工具
電動工具や作業工具は、人の手の延長として安全で快適な作業をサポートしている。建築や電気設備、自動車や機械などの産業分野だけでなく、DIY用に日常でも幅広く活躍している。 工具が使われる現場の中でも建設業界では、人手不足や職人の高齢化の影響により、作業者の負担を軽減する取り組みの重要性が増している。 これに対してメーカー各社では、工具の小型化や作業効率の向上などで作業者の負担軽減につながる製品開発を進めている。
小型化で作業負担軽減
電動工具はドリルやインパクトドライバー、トリマー、ディスクグラインダーなど用途によってさまざまな種類がある。最近では、リチウムイオンバッテリー搭載のコードレス式が主流で、メーカー各社は出力や長寿命、耐久性などバッテリー性能の向上を図っている。
電動工具のニーズは、バッテリー性能のほかにも作業効率や利便性などがあり、メーカー各社はニーズに応え製品展開している。中にはアタッチメントを交換することで、一つの工具で複数の作業に対応できる電動工具が販売されている。専用の工具が不要で、工具の取り換えが要らないため作業時間の短縮に寄与している。
作業工具は締める、つかむ、回す、切るなどの工程で活躍し、安全で快適な作業に欠かせない。手に持った際の感触や重さ、形状、重心位置、力の入り具合など、同じ種類の作業工具でもメーカーごとに微妙な違いがある。用途に合わせて適切な工具を選ぶことが重要になる。作業工具は、使いやすさだけでなくデザイン面も重要視されており、デザイン性の高い製品が数多く製品化されている。
一方で、建設業界など工具が使われる現場では、労働人口の減少や高齢化により、作業者の負担軽減が求められている。これに対してメーカーでは、工具の小型化や作業時間の短縮など、作業者の負担軽減に貢献する製品開発に力を入れている。
一体鍛造 高耐久を実現
工具メーカーのフジ矢は自社ブランドの工具シリーズから、とび職のユーザー向けにクリッパーを発売した。連続作業での負担軽減と片手での作業性を追求し開発。建設現場の足場締結用に使うワイヤの切断に最適で、直径3・9ミリー4ミリメートルの8番手のワイヤを片手で切断できる。
一般的に8番手のワイヤの切断には強度の問題で両手持ちタイプのクリッパーが用いられることが多いという。同製品は両手持ちタイプのクリッパーと同等の耐久性を持ちながら、片手で持ちやすいコンパクトなサイズに設計。片手作業で、作業効率向上が期待される。
鍛造による一体成型にしたことで、高い耐久性と強度を実現した。一体成型によって切断時に力が逃げにくくなり、切れ味の良さにもつながっている。
また連続使用に耐えられるようバネの形状も工夫した。四角い断面形状のバネを採用したことで耐久性が向上。さらに、持ち手部分は緩くカーブした形状で握りやすくしたほか、片手で操作できる位置にストッパーを設けた。
同社は今後も建設現場で働くユーザー向けにラインアップを増やしていく方針だ。