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放電加工技術
放電加工は一般に、加工液中で加工用の電極と導電性の加工対象物(ワーク)との間に放電現象(アーク放電)を起こし、ワーク表面の溶融と気化によって微細な除去を行う金属加工技術。硬いワークやデリケートな精密部品の加工に適している。放電加工においても環境対応が求められ、各社は対応を進めている。
精密部品・難削材 加工
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高硬度材や微細形状なワークの加工で活躍する(ソディック提供)
放電加工は電極の形状をワークに転写する形彫り放電加工と、放電しながら連続的に送られる非常に細いワイヤ導線を電極として用いて、ワークを切断するワイヤ放電加工が一般的だ。
刃物を用いる切削加工と異なり、放電加工は非接触の除去加工なので、非常に硬度の高いワークであっても加工でき、微細な形状であってもワークを壊さずに加工できる。非接触であることから、斜面への穴開けも滑らずにできるというメリットがある。さらに、加工時に出るワークのカスが数マイクロメートルの粉になるため、バリの発生も少ない。
放電加工は多様な分野の部品加工を支えている。医療分野ではチタンなどの難削材の加工や、小さな穴、コーナーの加工などで多く使われる。航空機分野では熱に強く硬い特殊合金でできたジェットエンジンの加工において、細穴放電加工が活躍する。自動車分野では電気自動車(EV)で使われる大きなバッテリーのセパレーターの加工などに、半導体分野ではリードフレームパッケージ成形用金型の細かい加工などに使用される。
近年は国連の持続可能な開発目標(SDGs)実現への意識が高まっている。放電加工においても、各社は機械の性能向上はもちろん、消耗品の開発やリサイクルなど、さまざまな面から環境対応に取り組んでいる。
ワイヤ放電加工機で使用される電力量の約70%は加工液処理で消費される。ソディックは加工時の上下噴流として使用する流量をインバーター制御することで、加工液処理に必要なポンプ駆動エネルギーを抑える液処理回路を標準搭載した。これにより、待機時間も含めた電力消費量を従来比約20%削減した。
また同社のワイヤ回転機構「i groove」は、ワイヤ電極線を回転させながら加工することでワイヤ消費量を抑えられる。
電極線、回収→リサイクル/電極線の銅を再利用
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回収したワイヤ電極線を溶融炉で溶かし、
新しいワイヤ電極線へとリサイクルする
(ソディック提供)
ソディックはワイヤ放電加工で使用したワイヤ電極線を回収し、新しいワイヤ電極線へとリサイクルする取り組み「ワイヤ循環システム」を行っている。回収した黄銅ワイヤ電極線(真ちゅう電極線)を溶融炉で溶かし、主成分の銅を再利用する。主成分が銅と亜鉛であれば、他社のワイヤ電極線も回収可能。回収したワイヤ電極線の替わりに、ワイヤ電極線や濾過用フィルター、加工液用水質維持器など、新品の消耗品を提供するサービスを行っており、環境に優しいだけでなく顧客のコスト削減にもつながる。