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切断機・ベンダー・端末加工機(2024年5月)
切断機やベンダー(曲げ加工機)、端末加工機は、パイプや板・棒材などを切る、曲げる、絞る、といった加工を施し、加工対象物(ワーク)を任意の形状に仕上げる各種機械。加工機の用途先である製造業では人手不足が喫緊の課題。加工機メーカー各社でも省力化対応の製品開発が盛んだ。 メーカーの中には、独自のソフトウエアを活用し、操作盤に表示する画面の視認性を高めた。操作性を高め、若手作業者の早期戦力化を支援している。
作業の効率・簡略化進む
切断機やベンダー、端末加工機は、パイプや板・棒材など金属材料の2次、3次加工で活躍する各種加工機。切る、曲げる、絞る、といった工程を通して作られる加工対象物(ワーク)は自動車や産業機械、建築、半導体、空調機器など幅広い分野で活用されている。
切断加工は刃物やプラズマ・アーク切断、ウオータージェット、レーザー、ガス切断、プレスによるせん断など、多種多様にある。ワークの用途や工程に合わせて各種切断機が活躍している。
曲げ加工は板材を任意の角度に曲げたり、丸めたりする。加工方法はロール曲げ加工やプレス加工などがある。プレス加工は金型の形状を工夫し複雑な形状にも対応する。曲面加工にはロール曲げ加工が適している。曲げ加工を施したワークは自動車の触媒コンバーターやモーターのケース、空調機器などに用いられる。
加工機に求められる性能には、高精度化や歩留まり向上、省力化、作業効率化などがある。中でも省力化は、人手不足が進む製造業では喫緊の課題だ。
政府の2023年版「ものづくり白書」によると、製造業の若年就業者数は、2002年から12年まで減少基調が続き、以降はほぼ横ばいで推移している。22年の同就業者数は255万人で、20年前の02年と比べ約3割減となっている。
こうした背景の中、加工現場では熟練作業者の作業標準化や若手作業者の早期戦力化が課題となっている。加工機メーカー各社では、作業の簡略化や加工を支援する機能を加工機に搭載し、顧客企業の課題解決を後押しする。
あるメーカーでは、3次元(3D)パイプ自動切断機を売り出している。同機はパイプを多様な形状に開先加工し、切断できる。自社開発した同機専用のソフトウエアは対話型入力方式で、誰でも簡単に切断加工のデータを作成可能。加工図も3Dで表示されるため、切断加工のデータを簡単に確認できる。
また切断機の操作盤に表示される画面は、加工を選択するアイコンなどのデザイン性も重視し、視認性を高めた。同社ソフトウエア開発担当者によると「作業者が一目見ただけで使えることを意識した」と話す。「誰でも、簡単に、わかりやすく」に焦点を当て、作業の簡略化ニーズに応える。