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切断機・ベンダー・端末加工機
切断機やベンダー(曲げ加工機)、端末加工機は、パイプや板材・棒材などの金属材料の2次、3次加工に欠かせない存在。自動車をはじめ、工作機械、造船、建築、半導体、空調機器、ガス機器など、幅広い業界の製造現場で活用されている。最近では製造業の人手不足や環境対応といった社会課題を背景に、加工現場の自動化・省人化や省エネルギー化が求められている。これに対して、メーカーでは高速・高効率な加工機やロボットを組み合わせた自動化システムを提案し、加工現場をサポートしている。
ファイバーレーザーでエネ効率向上
ロボ活用で省人化に対応
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津根精機のレーザー切断機「TLX70PL」
切断機やベンダー、端末加工機は切る、曲げる、絞るといった加工を通して加工対象物(ワーク)を任意の形状に仕上げる。ワークの素材や目的の形状、工程などによって、多種多様な加工法が使い分けられている。
切断加工は丸鋸などの機械式切断やプラズマ・アーク切断、ウオータージェット、レーザー、ガス切断、せん断などさまざまな加工方法がある。このうち、丸鋸は短時間で多くの材料を処理でき、比較的扱いやすいといった利点もあり、多くの製造現場に浸透している。刃先に超硬合金などのチップを取り付けたチップソーや高速度鋼(ハイス)製の物など、ワークに合わせた製品が数多く展開されている。
またレーザー加工は発振器からレーザー光をワークに照射し、対象箇所を溶融させ、同時にガスを吹きかけることで溶融した部分を分離させ切断する。非接触で切断できるためワークの変形が少なく、切断形状の自由度が高いといったメリットがある。
レーザー光の媒質によって二酸化炭素(CO2)レーザーやファイバーレーザーなどの種類がある。最近では環境配慮の観点からエネルギー変換効率が高く省エネにつながるとして、ファイバーレーザーの提案が増えている。
あるメーカーは自社ブランドのレーザー加工機を売り出している。工具を使う切断機に比べ2倍以上の加工速度で、切断時にワークから発生する金属の細かい粒(スパッター)を除去する装置を標準装備している。作業環境の改善にも貢献する。
曲げ加工は板材や棒材、線材などに連続的に圧力をかけて任意の角度に曲げ、ひねりなどの加工を施す。加工方法はプレス加工やロール曲げ加工などがある。
プレス加工は金型の形状を工夫することで、複雑な形状にも対応できる。ロール曲げ加工は複数の回転ロールに板材を通し、パイプなどの円筒状に仕上げる。曲げ加工を施したワークは自動車の触媒コンバーターやモーターのケース、空調機器などで活用されている。
製造業の人手不足を背景に、加工機の自動化・省人化への対応が求められている。加工機メーカーでは、ロボットを活用して加工工程を自動化するシステムを提案している。
切断や曲げ加工などの工程間の搬送やワークの投入、加工後の取り出しといった工程に、協働ロボットやローダーなどを組み込むことで、加工ラインの自動化を図る。
労働人口の減少に伴い、製造現場の生産性向上の重要性は高まっている。こうしたニーズに対応し、メーカー各社は製品開発、機能向上に挑戦し続けている。
