-
業種・地域から探す
安全・技術向上へ実技講習
受講で運転資格
-
実技ではクレーンの巻き上げ・走行・横行を学んだ
日本クレーン協会東京支部では、免許試験、技能講習、特別教育などの講習を毎月行っている。
9月15日はクレーン運転特別教育の実技が行われた。受講すると吊り上げ能力5トン未満の設置クレーンを運転する資格が与えられる。実技では、17人の受講生が天井クレーンの巻き上げ・走行・横行の操作を学んだ。
東京支部の地場孝一事務局長によると、「クレーン操作時は吊り荷のバランスを確認することが大事」という。クレーンで吊り荷を少し持ち上げてワイヤロープの張りや吊り荷の安定を見て、確実に玉掛けができているか確認する。正しく玉掛けが行われていないと吊り荷がバランスを崩し、運転中に吊り荷を落とす危険性がある。
また「吊り荷を移動させる際、揺れを少なくすることもポイント」(地場事務局長)と話す。スピードを加減して揺れを抑えつつ、慣性力が働く場合にはホイストを走行方向または反対方向に動かすことで吊り荷の揺れを抑える。
クレーンで吊り荷を持ち上げる前に、フックと吊り荷が鉛直線上にあるか確認することも重要だ。必ず横と正面の2方向から鉛直を確認した後、荷を持ち上げる。講習では実演も交えて鉛直線上にない場合の危険性も訴えた。鉛直でない状態で持ち上げると、吊り荷が大きく振れた。講師の岩渕武氏は「荷が大きく振れると、人に当てたりモノを壊したりする危険性がある」と受講生に伝えた。
岩渕氏はクレーンを安全に操作するための心構えとして「クレーン操作は危険な仕事であることを常に意識して欲しい。軽く見ると危ない。コントローラーを使いこなして揺れを制御できるようにならないといけない」と強調する。
クレーン安全大会
-
優良クレーン関係業務従事者表彰などが行われる(前回開催時=日本クレーン協会提供)
11月7日から8日の2日間、東京都江東区のティアラこうとうで第43回全国クレーン安全大会が開かれる。主催は日本クレーン協会。
11月7日=優良従事者表彰など
7日は優良なクレーン関係業務従事者を表彰するほか、厚生労働省労働基準局安全衛生部の安全課長による「安全行政の課題と今後の展開」をテーマにした講演、名古屋大学宇宙地球環境研究所の坪木和久教授による「台風がもたらす激甚気象の現状と地球温暖化に伴う将来変化」と題した特別講演が開かれる。
11月8日=研究発表
8日は建機メーカーなどによる研究発表が行われる。10時からは緑マークの浜口真佐樹プロジェクト・マネジャーが「100年塗料を目指して=塗料革命」をテーマに登壇する。同社と産業技術総合研究所が共同開発した、100年の耐用年数を持つ塗料を紹介する。
10時35分から清水建設エンジニアリング事業本部SEP運営部の坂本憲哉部長が「自航式SEP船『BLUE WIND』について」をテーマに解説する。同社が建造した洋上風力向けSEP船「BLUE WIND」の能力、運用状況、課題などについて、メーンクレーンに焦点を当てて発表する。
11時20分から住友重機械建機クレーンCS企画部担当職の宮原一臣氏が「移動式クローラクレーンのドローン点検C―SAIについて」と題した講演を行う。同社が開発したクレーン起立外観検査サービスの機能と実施例を紹介する。同サービスでは、ドローンを使って作業姿勢のクローラークレーンを近接撮影し、画像から点検診断を行う。
11時55分からはコベルコ建機新事業推進部の岡田哲グループ・マネージャーが「クレーン施工計画策定支援ソフト『K―D2PLANNER』機能紹介」をテーマに登壇する。建築用3次元コンピューター利用設計(CAD)のクレーン施工計画策定支援アドインソフトの機能と顧客事例を紹介する。
両日とも参加費は無料。参加希望の場合は最寄りのクレーン協会各支部へ。申し込み期限は10月20日。