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クレーンの日
9月30日は「クレーンの日」。1980年に日本クレーン協会とボイラ・クレーン安全協会が、クレーン等による災害防止の意識向上を図るため制定し、今年で45回目を迎えた。毎年この日に両協会は全国のクレーン関係者に向け、クレーン作業における労働災害防止を呼びかけている。災害防止の重要性を再認識し、現場では点検・整備、マニュアルの見直しを行うなど、災害防止の意欲を高める機会としたい。
ポスターで安全推進
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日本クレーン協会が作製した2024年度のポスター
日本クレーン協会とボイラ・クレーン安全協会はそれぞれ「クレーンの日実施要項」を作製・配布し、労働災害につながる職場の危険有害要因を明確にして、改善に取り組むことを促している。
クレーンの日には実施要項を基に、作業における確認点を一つひとつチェックして、日ごろの作業を改めて見直したい。
また両協会では毎年、この日に合わせてポスターを作製しており、写真と標語を募集している。
今年の日本クレーン協会の標語は、「クレーンで吊るのは荷と責任 重みを感じて安全作業」を選び、写真は高速道路の建設現場で稼働するクレーンの風景を採用した(ポスター)。ボイラ・クレーン安全協会は「気を抜かず 基本の順守 クレーン作業」を標語に選び、新幹線「はやぶさ」の車両を吊り上げるクレーンの写真を使用した。これらのポスターを掲示することで注意喚起を促し、安全活動を推進する。
実技受講で安全・技能向上
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実技ではクレーンの操作、合図などを学ぶ
日本クレーン協会の各支部では、クレーン運転免許取得に向けた技能講習を開催している。座学と実技を交え、小型移動式クレーンや床上操作式クレーン、玉掛け技能講習などを随時行っている。
例えば玉掛け技能講習では、座学で玉掛けの方法や力学に関する知識を学び、実技で質量目測、玉掛け用具の選定・使用、運転のための合図などを実践する。小型移動式クレーン技能講習では、座学で小型移動式クレーンに関する知識のほか、原動機や電気、力学に関する知識、関係法令などを学ぶ。実技ではクレーンの運転や運転のための合図を習得する。
各支部ではそのほか安全衛生教育、定期自主検査者安全講習、危険体感教育などを行っている。
第44回 全国クレーン安全大会
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優良クレーン関係業務従事者の表彰やメーカーによる研究発表などが行われる(前回開催時=日本クレーン協会提供)
11月7、8日の両日、岡山市北区の岡山シンフォニーホールで第44回全国クレーン安全大会が開かれる。主催は日本クレーン協会。
●11月7日 総合集会
7日は優良クレーン関係業務従事者などを表彰するほか、厚生労働省労働基準局安全衛生部の安全課長による「安全行政の課題と今後の展開」をテーマにした講演、東京大学工学系研究科非常勤講師の中村昌允氏による「クレーン災害の防止とリスクアセスメント」と題した特別講演が行われる。
●11月8日 製造者・使用者の集い
8日は建機メーカーなどによる研究発表が行われる。10時からはIHI運搬機械運搬システム事業部生産統括部の礒貝興孝課長が「陸上風車建設用タワークレーンの安全対策について」をテーマに発表する。5メガ-6メガワット級の陸上風車建設に対応可能な自立式タワークレーンの安全対策について、設計者の立場から紹介する。
10時35分からタダノLE開発第一部大型開発第1ユニットの髙島浩アシスタントマネージャーが「25トン吊りフル電動ラフテレーンクレーンの紹介」を行う。昨年12月に発表したフル電動のラフテレーンクレーン「EVOLT」について解説する。
11時20分からオプトルセンシング事業部SEN企画営業室の安田拓郎室長が「クレーン作業安全支援システム」をテーマに講演する。クレーン先端に設置したステレオカメラで吊り荷と吊り下ろし場所の作業員の位置を認識し、作業員の安全作業をサポートするシステムを披露する。
11時55分から古河ユニック事業企画部事業企画課の河田良宣技師長が「実機の液晶ラジコンJOYを使用した次世代VRトレーニングの有用性」をテーマに発表する。小型移動式クレーンの仮想現実(VR)トレーニングシステムに関する開発の意義、有用性、今後の計画を紹介する。
両日とも参加費は無料。申し込みは最寄りの日本クレーン協会各支部へ。申し込みは10月31日まで。