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コネクター
コネクターは電気信号や電力などを伝送するために用いられる電子部品で、エレクトロニクスに欠かせない。機器と機器、基板(ボード)と基板、基板と電線(ケーブル)、電線と電線などを結合する。電気信号や光信号、電力を高速で確実に伝える。
信号-高速・確実に伝送 安全-車載ECU支える
小型・薄型化進む
コネクターは重要な電子部品の一つで、スマートフォンや基地局、パソコン、サーバーなどの情報通信機器、工場自動化(FA)機器、自動車、鉄道など多彩な産業・分野で利用されている。
伝送する映像や画像などのデータ量が増加傾向にあり、信号品質の劣化やノイズを発生させることなく、高速で信号を伝送する必要がある。
自動車向けのコネクターは幅広い範囲の温度と湿度、粉塵や振動の耐性と堅牢(けんろう)性、電磁環境適合性(EMC)など厳しい環境への対応が求められる。また、コネクターを基板に実装する時に多少のズレが発生しても嵌合(かんごう)し、車両の振動や衝撃をある程度吸収する。フローティングコネクターはこれらの課題に応え、自動車特有の過酷な環境に対応する。
自動車・車載関連でのカメラやセンサーなどは電子制御ユニット(ECU)を介し電気信号で伝送されるため、コネクターの品質が求められる。安全性に関わるため高速で確実に伝送する必要がある。ECUは電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)などの電動車(xEV)の普及拡大に伴う燃費や電費向上などで小型・薄型化が進んでいる。
また、機能群ごとの複数のECUを統合する統合ECUは、自動運転や先進安全システム(ADAS)など自動車の高度化に欠かせないテクノロジーとして注目を集めている。富士キメラ総研は4月10日、「車載ECUの世界市場予測」を発表。2025年の車載ECUの世界市場は、24年見込み比5・5%増の27兆8818億円を予想する。
xEV系のECUは、インバーターや車載充電器(オンボードチャージャー、OBC)、バッテリーマネジメントシステムなどで構成される。自動車の電動化シフトにけん引され、需要増を見込んでいる。
さらに、ソフトウエア定義車両(SDV)の登場や、アイズフリーといった特定条件下における自動運転(レベル3)による新たな車載システムの需要を見据え、35年のECU世界規模は49兆1766億円市場になると予想する。
富士キメラ総研による自動車1台当りの平均ECU搭載個数は、24年は15・8個を見込み、35年には20・2個になると分析する。
今年5%増 世界市場12兆5906億円
こうした中、自動車用のコネクターなど接続部品の世界市場について、25年は24年見込み比5・3%増の12兆5906億円になり、35年は15兆1億円市場に成長するとしている。各種車載システムの搭載増によって制御するECUの搭載個数が増加しており、それに伴い構成デバイスや接続デバイスの市場が拡大を予想する。
富士経済が4月に発表した「EV・PHV充電インフラ普及動向調査」では、国内の急速充電器は40年には24年比4・1倍の6万6300口に拡大する見込み。政府は24年度補正予算と25年度当初予算で計460億円を充電インフラ補助金に計上している。このうち、急速充電には210億円が予算措置されていることも背景にあり、コネクター市場は拡大していく。
人とくるまのテクノロジー展 5月21-23日/パシフィコ横浜
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人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMAでは多くの車載用コネクターが展示された。(日本航空電子工業ブース)
国内最大級の自動車に関する技術展「人とくるまのテクノロジー展 2025 YOKOHAMA」が、5月21から23日までの3日間、横浜・みなとみらいのパシフィコ横浜で開催される。
日本航空電子工業や日本端子などのコネクターメーカーが出展し、自動車や車載に向けた関連製品や技術を紹介する。自動車技術会(JSAE)が主催する。