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大変革期を切り開く 5軸・複合加工機
内歯車の用途拡大に対応
工作機械ユーザーの導入事例 二羽歯切
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同時5軸・複合加工機「DMU85 FD monoBLOCK」の導入で加工時間が従来の10分の1程度に短縮した
二羽歯切(金沢市)は平歯車、ヘリカルギア、スパイラルベベルギア、スプロケットなど多様な歯車の歯切り加工に対応できる。2022年8月にDMG森精機の同時5軸・複合加工機「DMU85 FD monoBLOCK」を導入した。ある工作機械メーカーからインターナルギア(内歯車)の加工依頼を受けていたが、導入前は古い汎用機しかなく、技術的に難しいことから依頼を断っていた。
二羽孝郎社長は「今後は内歯車の需要が増えてくる。そのため歯切り加工ができる機械を導入したいと考えていた」と当時を振り返る。内歯車は遊星歯車装置などの減速機に搭載され、装置全体をコンパクトにできるメリットがある。一方、高効率かつ高精度に内歯車を加工できるパワースカイビング加工は技術的なハードルが高い。ただ、産業機械やロボットなどで内歯車を採用する動きが広がっており、顧客の求める技術レベルに達したいとの思いが強くあった。
技術レベル向上につながる布石はあった。傾斜のある傘のような形状で歯の曲がったスパイラルベベルギアは加工が難しく、汎用機では対応できなかった。そこで知人のすすめで10年に独DMG(現DMG森精機)の同時5軸マシニングセンター(MC)を導入。石川県内でMCを使った歯切り加工は二羽歯切が初だったという。作業効率が格段に向上し、現在は4台のMCを活用している。
MCで培った加工技術とノウハウを踏まえ、同時5軸・複合加工機を導入した。内歯車の加工時間は従来の10分の1程度となり、「従来は1時間かかっていたが、5分で終わるレベル」(二羽社長)となった。今後は加工スピードを前面に出し、パワースカイビング加工の受注拡大に挑む。
MEMO==============
▷創業=1963年
▷資本金=1000万円
▷従業員数=7人
▷売上高=9300万円(24年4月期)