クリーンルーム

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クリーンルームは空気中の汚染物質を低減し、温度や湿度、圧力などを制御して清浄な環境を作り出す。半導体や精密機器、製薬業界だけでなく、食品やヘルスケアなどさまざまな分野で活用が広がっている。「インダストリアルクリーンルーム（ＩＣＲ）」は塵やホコリを汚染物質の対象にし、半導体や精密機器の製造に利用される。「バイオロジカルクリーンルーム（ＢＣＲ）」は微生物や細菌も汚染物質の対象にし、食品・医薬品などに利用される。

ICRー半導体／BCRー再生医療

　クリーンルームは空気中のホコリや塵、微生物、有機化合物などの汚染物質の粒子数をコントロールし、環境を清浄に保つ。クリーンルームの定義は「空気中に浮遊する微粒子や微生物が限定されたレベル以下の清浄度に管理されており、不純物やゴミを持ち込まないようにする部屋」とされている。バイオテクノロジーやナノテクノロジー分野での研究開発においても、クリーン化は不可欠となっている。空間の清浄度は国際標準化機構（ＩＳＯ）規格などでクラス分けされている。ＩＳＯ規格ではクラス１から９まで分類され、クラス数が小さければ清浄度が高い。

　ＩＣＲが利用される半導体や精密機器などの製造現場では、粒子の付着で損傷や不具合が発生する。微少な塵やホコリが品質に与える影響が大きいため、クリーンな環境が求められる。ナノメートルレベルの微細化が進んでいるため、ウエハーなどに付着したゴミが極少量でも正確な回路を焼き付けることができない。クリーンルームにはより高い清浄度の環境が必要になる。

　ＢＣＲは再生医療に用いる細胞を培養する場合、最終的に人体へ移植するため微生物などの混入はあってはならず、厳重なクリーン環境が求められる。　

レンタル・小型に脚光／ＶＢ・小規模病院向け　スタッフが教育・支援

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　業界関係者によると、近年では面積やコストの関係から本格的なクリーンルームを導入しづらいとの理由で、小型のクリーンルームを求める声が多いという。

　ダイダン子会社のセラボヘルスケアサービス（セラボＨＳ）のオールインワンＣＰユニットは、細胞培養加工向けの小型のクリーンブース。通常のクリーンルームは納期に２年ほど要するが、同製品はユニット方式のため大がかりな工事が不要となり、半年ほどでの短納期を実現している。更衣室、準備室、作業スペースで構成され、全体の面積が約３０平方メートルと小さく、シンプルな構造だ。

　近年はテナントビルに入居するベンチャー企業や小規模の病院などからの引き合いが多いという。治験薬の製造や簡便な再生医療に使われるケースが多い。

　また、セラボＨＳはセラボ川崎（川崎市川崎区）にオールインワンＣＰユニットを設置し、４月に治験薬製造サポートサービス「ふらっとＡＩＯ」を始めた。オールインワンＣＰユニットをレンタル設備として貸し出すほか、同社のスタッフが製造に関するノウハウを教育支援する。

　同社担当者によると、大学発のベンチャー企業などは研究開発での経験が豊富な一方で、製造に必要な設備の不足や開発の成果を製造に落とし込むノウハウに対して課題があるという。基礎研究や非臨床から治験薬製造への移行を目指すベンチャー企業などから、運用方法のレクチャーに関する要望が多く、サービスを始めた。同サービスの教育支援ではクリーンルームの運用方法を伝えるほか、標準作業手順書（ＳＯＰ）の作成を伴走または受託で支援していく。

クリーンルーム 再生医療 展示会　７月開催／東京ビッグサイト

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　「第２７回インターフェックスＷｅｅｋ　ＴＯＫＹＯ」「第７回再生医療ＥＸＰＯ東京」が７月９日から１１日までの３日間、東京・有明の東京ビッグサイトで開催する。主催はＲＸ Ｊapan。

　世界２５の国と地域からクリーンルームや分析機器、細胞培養をはじめとした再生医療の研究・製造、医薬品・化粧品に関する製品やサービスなどが出展する国内最大規模の展示会。「第１９回インファーマジャパン」「第９回バイオ医薬ＥＸＰＯ」「第７回ファーマラボＥＸＰＯ東京」「第１回ファーマＤＸ　ＥＸＰＯ東京」の４展示会が同時開催される。各種セミナーやイベントも開催される。