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EV拡大に伴う変化に対応
MC向け技術を旋盤分野に展開
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短時間で高精度な取り付けを実現する
エヌティーツール(愛知県高浜市)は、マシニングセンター用で培ったツーリング技術を生かし、旋盤分野で販路拡大を本格化している。2023年に市場投入した「クーラントバイトスリーブ」は、独自開発のシールストッパーを採用し、刃物フラット部からのクーラント液漏れを抑えたコンピューター数値制御(CNC)旋盤用スリーブ。刃先から効率よく加工物(ワーク)内径にクーラント液を吐出でき、ボーリング加工での切りくず排出性が向上する。
工具の内側からクーラント液を吐出する内部給油ホルダー対応で、オイルホールが付いたボーリングバー専用スリーブ。刃物シャンク内に装着したシールストッパーがクーラント液圧で端面に密着し、刃物フラット部の隙間からのクーラント液漏れを防ぐ。クーラント液圧の低下を抑え、最適なクーラント液の吐出により、切りくず排出性のほか加工品質の向上、チップの長寿命化につながる。
またEVの拡大に伴う新規分野の開拓などで、従来の大量生産よりも段取りの回数が増えることが見込まれる。こうしたニーズに対応するため、油圧式で加工時のびびりを抑制できるコンピューター数値制御(CNC)旋盤用ハイドロチャック「ST・M―PHC」も展開する。シャンク部、チャック部ともに油圧式を採用した。刃物取り付け時の芯ズレを抑えられるため、段取り替えの作業時間も短縮できる。
長寿命でCO2半減
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従来の形状を一新し直線状の溝がない特殊な構造にした
OSGは従来から形状を一新した盛り上げタップ「グリーン・タップ」を開発し、24年中の発売を目指す。一般的な盛り上げタップにある直線状の溝がなく、「刃の山が出現と消滅を繰り返す」特殊な形状をしている。これを穴に押し当てることで、従来の盛り上げタップとは異なるメカニズムでネジ山を形成する。従来品より長寿命化できる利点がある。
また新たなタップ製造法の採用によって生産時の二酸化炭素(CO2)排出量を半減できる。工具自体が長持ちすることによる廃棄量の削減とあわせて、環境負荷低減に高い効果を発揮するという。
SiC研磨工具量産
ノリタケカンパニーリミテドは、次世代パワー半導体とされる炭化ケイ素(SiC)の半導体基板やデバイスを研磨する工具「LHAパッド」の量産を24年度から始める。数億円を投じて夜須工場(福岡県筑前町)に量産ラインを整備。パッド内の砥粒の回転で研磨するため、加工時間を従来比6割減の約2時間に短縮でき、工具寿命も5倍以上の200時間に伸ばせる。生産時の廃棄物も大幅に減らせる。EV向けの需要拡大に伴い、試作から量産へ段階が移る。
三好事業所(愛知県みよし市)と松阪工場(三重県松阪市)の試作ラインと人員を夜須工場に移管する。20年から本格販売してきたが、高まる需要に対応できないと判断して量産ラインの整備に踏み切る。需要の増加に応じて、夜須工場での増産も検討する。
切削抵抗抑えたエンドミル
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ヘリカル加工用エンドミル「ドリミル」
イワタツール(名古屋市守山区)は、ヘリカル加工用エンドミル「ドリミル」の試用版を23年12月に発売した。センタードリルを得意とする同社がエンドミルを手がけるのは初めて。中底角を増大させて切削抵抗を抑えた。一般的なエンドミルと比べて5―10倍のヘリカル加工スピードを実現する。試用版で顧客の要望を集めて改良し、夏ごろをめどに完成版に仕上げる。