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切りくず搬送・処理装置
モノづくりの現場では生産効率化や省人化を目指した自動化が加速している。この動きに応じて切りくず搬送・処理装置も進化を重ねている。高い生産性の維持や労働環境の改善のためには、発生した切りくずを適切に処理することが大切だ。対処をしなければ工具の損傷や製品品質の悪化を引き起こすばかりか、現場環境の悪化や作業者のケガの原因ともなる。働きやすい職場づくりは人材の定着・確保の面でも利点がある。環境配慮の観点からも適切な搬送・処理装置の導入が求められている。
生産性を左右する切りくず処理
金属加工をする上で、加工の際に生じた切りくずの搬送および処理を適切に行うことは高い生産性の維持や労働環境の改善につながる。ただしこれらを怠ると、加工精度の低下や工具寿命の短期化などを招き、ワーク(加工対象物)の損傷といった問題の発生も懸念される。また、切りくずが工具に絡まったり詰まったりすることで、自動化、連続加工の妨げにもなる。
モノづくりの現場では、人材不足に伴って生産効率向上や省人化を目指した工作機械などの自動化が進んでいる。各種センサーやロボティクス、AI(人工知能)を駆使することで長時間の自動運転も可能になっている。このため、自動化に対応する切りくず搬送・処理装置の開発も進んでいる。
適切な設備・機器の提案で環境改善
一般的には、発生した切りくずは加工機械から送り出し、1カ所にまとめてリサイクルしやすくする。さらには、圧縮・減容化してブリケットにするなどリサイクル率を高めるさまざまな処理方式がある。このため、作業現場のレイアウトなど個々の状況に合わせた最適な設備・機器を選択することが重要だ。メーカーでは破砕機など周辺機器との組み合わせや、複数台の工作機械から発生した切りくずを1カ所で集中処理し、運搬作業を大幅に減らすシステムの提案なども積極的に行われている。
切りくずは鋭利な形のものが多く、清掃や除去作業の際にケガの要因ともなる。また、切りくずに付着した工作油剤を放置すると悪臭の発生源となり、現場環境の悪化につながる。適切な装置・機器を欠き、加工機械にたまった切りくずを現場の作業者が手間をかけて運搬するケースもあるという。これらの作業は現場に多大な負担をかけることとなり、生産性の維持に支障が出るほか、離職の要因にもなりかねない。
モノづくり現場の人手不足が深刻化する中、人材の定着を図る取り組みは必須とも言える。生産の効率化だけでなく、働きやすい職場づくりという点からも、適切な切りくず搬送・処理装置の導入が必要といえるだろう。
