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CAD・CAM・CAE
製造業では人手不足や熟練技能の継承、開発期間の短縮といった課題への対応が求められている。こうした中、設計を担うコンピューター利用設計(CAD)、加工プログラムを作成するコンピューター利用製造(CAM)、性能評価や事前検証を行うコンピューター解析(CAE)の重要性が一段と高まっている。
効率化・開発期間を短縮
CAD、CAM、CAEは生成AI(人工知能)の台頭により、大きく進化している。CADでは、要求仕様を入力すると、AIが最適な設計案を自動で生成。CAMにおいては、AIが3次元(3D)モデルの加工形状を認識し、熟練者のノウハウに基づいた最適な工具や加工経路(カッターパス)を自動提案する。さらに、専門知識が必要だったCAEでも、煩雑な解析条件の設定をAIが自動化し、作業効率の向上と開発期間の短縮を実現している。
一方で加工の際、2次元の図面なしに、3Dモデルに寸法や公差などの製造情報を埋め込んだものを受け渡す手法が注目されている。これにより、従来人が図面から寸法や公差を読み取りCAMに入力していた作業を省ける。自動で加工プログラムを作ることも可能だ。
アフターサポート重要
ソフトは用途ごとに特化したものがあり、目的にあったものを選ぶことになる。そのうえで選定にあたり、「アフターサポート体制は重視するべきポイント」と、3Dデジタルの技術者育成を目指す「いわてデジタルエンジニア育成センター」の小原照記センター長はいう。
CADはユーザーが多く、使い方の情報をインターネット上で多く見られるが、CAMやCAEの情報は少ない。そのため、困ったときにすぐに相談できるサポート体制があるかどうかが重要だという。小原センター長は「最初の1年間はサポート契約に加入した方がいい」と勧める。
導入時には、ベンダーや販売代理店が主催する体験セミナーに参加して比較検討するほか、サブスクリプション(定額制)で試してみるのもよい。デジタル化・AI導入補助金やものづくり補助金などの補助金も適用されるので、うまく活用したい。
作業の高速化を実現/コミュニケーションツールにも
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シミュレーション時間の大幅短縮を実現した
プレス金型設計支援ソフト
プレス金型メーカーであるナガラ(名古屋市中川区)の武原謙二社長は「スピード感が魅力。コミュニケーションツールとしても活用している」とオートフォームジャパン(東京都港区)が提供するシミュレーションソフト「DieDesigner(ダイデザイナー)」を評価する。ナガラは従来、熟練技術者の勘・こつを頼りに、徹夜してでも金型を仕上げてきた。しかし2010年ごろから、初期段階から良品を作り込むフロントローディング開発への対応を顧客から求められるようになっていた。
このため、15年に金型がプレス材料と接触する面であるダイフェースの形状を短時間でシミュレーションできる同ソフトを導入した。シミュレーションの前段階で必要なモデリング作業を簡素化してあり、作業の高速化が図れる。「熟練金型技術者が頭の中で描いたイメージを画像で表現できる」(武原社長)ため、経験やノウハウから導き出された問題点の洗い出しや、設計変更提案など顧客との綿密な相談が可能となった。さらに、提出したデータを元に、顧客社内での検討も進めることができ、関係者全体での情報共有コミュニケーションツールとしての役割も果たしている。
同社では同ソフトによる画像や3D加工データを社内での意思疎通や技術教育、人材確保のツールとしても活用している。海外からの技能実習生には、言葉で伝えきれない内容を画像データが補足、補完してくれるため作業内容を明確に伝えられる。また、金型に全くなじみのなかった新人教育の場面では、構想段階から最終製品まで画像で示すことができる。結果、理解が早まる上、金型づくりの楽しさも伝えられる。さらに、同ソフトを複数人が扱えるため、ジョブローテーションが可能となり、働き方改革にもつながっているという。
同ソフト導入により、シミュレーションにかかる時間が10分の1以下に短縮できたという。「その分、人が違う部分に力を使えるようになる」(同)と個人の能力向上にも期待を寄せる。
小ロット品 精密加工/条件最適化、バラつき抑える
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人材育成の点でもメリットがあると語る浦地社長
3次元加工向けCAMソフト
工業用プラスチック部品の切削加工を行うデイ・プラフト(三重県伊賀市)は、小ロット品の精密加工を得意とする。半導体洗浄装置や手術用医療機器などに向けて、部品を供給している。今年で創業8年目となる。
同社はゼネテックが販売する3次元加工向けCAMソフト「マスターキャムミル3D」を導入している。同製品は自由曲面や複雑な形状の加工データ作成に強みを持ち、3軸加工から5軸割り出し加工まで対応している。デイ・プラフトの浦地泰佑社長は、起業前にもプラスチック加工の会社で長年加工に携わっており、その頃からマスターキャムを使用している。使い慣れたソフトがいいとのことで、マスターキャムを導入した。
同社は100分の1ミリメートルの加工精度を実現する。浦地社長は「樹脂は1度Cの温度変化でも寸法が変わる。そのため温度管理が重要」と話す。また同じ材料でもロットや大きさによって特性が変わるため、加工条件をその都度最適化している。さらに、材質によっては削っているうちに反ってしまうものもある。「反りを計算に入れて削るなどノウハウが必要」(浦地社長)だ。
そうしたノウハウを取り入れた上でCAMを活用することで、バラつきを抑えられる。「手の感覚に頼るとどうしてもバラつきが出てしまう。CAMがなければ100個同じものを作るのは難しい」と浦地社長は話す。
人材育成の観点でもメリットがある。3DCAMは形状が一目で分かるので、他者に説明しやすい。感覚に頼らず習得できるため、人を育てるのにそれほど時間がかからない。「一人で会社を始めたが、現在パートを含めて13人在籍している。3DCAMがなければ、今も一人でやっていたかもしれない」と浦地社長は明かす。加工技術者は6人おり、その全員がマスターキャムを習得し、使いこなしているという。
