-
業種・地域から探す
ビル・建築物の環境対策
2050年のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の実現に向け、国内のエネルギー消費量の約3割を占める住宅や建築物の省エネルギー化が求められている。こうした中、建物の省エネを実現する技術として、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)に関心が寄せられている。
ZEBー建物も省エネ
ZEBは室内や室外の環境品質を低下させることなく、負荷抑制や自然エネルギー利用、設備システムの高効率化などにより大幅な省エネを実現する。その上で再生可能エネルギーを導入し、運用時におけるエネルギーの需要と供給の年間積算収支がおおむねゼロになる建築物をいう。
ZEBを実現するには、必要なエネルギー量を減らすための技術(パッシブ技術)を取り入れる必要がある。建物の開口部は外皮の中でも最も熱の出入りが多い。断熱性能が高い窓を採用することで、熱の出入りを抑制できる。
ダイナミックインシュレーション窓は二重窓の内部に外気を取り入れ循環させることで、従来の断熱サッシに比べ断熱性を高めている。吸気口から取り入れた外気を外窓の上から下、内窓の下から上へと流すことで、窓から逃げる室内の熱を室内に戻し、断熱性能を高める。外気を温めてから室内に入れるため換気による寒さを感じず、室内の暖かさを維持できる。
そのほか高性能な断熱材を屋根や壁、床に用いることや日射遮蔽(しゃへい)、自然採光などにより、エネルギー需要を削減できる。
高効率空調 快適・省エネ両立
こうしたパッシブ技術を取り入れた上で高効率空調や高効率照明を導入し、エネルギー消費量を減らす。一般的なオフィスビルでは空調システムによるエネルギーが全体の消費量の多くを占めており、その削減の重要性は高い。
空調設備にかかるエネルギー消費量を削減する方策として、温度と湿度を別々に調整する潜熱・顕熱分離方式空調システム、地中熱や地下水を利用したヒートポンプ空調システム、放射パネルを使った冷暖房などさまざまな技術が開発され、省エネと快適性を両立させている。
壁・窓で創エネ
ZEBはエネルギー消費量を減らす工夫を施した上で、太陽光発電などの再生エネを活用する。太陽光発電パネルは主に屋上に設置されるが、高層のビルの場合は建物の規模の割に屋上面積が狭く、電力需要に対して太陽光発電システムによる発電量の割合が小さくなってしまう。
こうした課題を解決するべく、最近ではビルの屋上だけでなく、壁面や窓面に導入できる建材一体型発電システムの開発が進んでいる。例えば、合わせガラスの中間膜に薄くカットした太陽電池セルを封入し、高い透視性を確保した太陽光発電システムが登場している。これにより建材ガラスとしての役割を持ちつつ、発電も行える。