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ビルの高付加価値化
近年のオフィスビルには環境性能が求められる。ビルの省エネルギー基準は段階的に引き上げられる傾向にあり、不動産価値を上げるためにも環境性能を高めたい。一方、多様な働き方のニーズに応えるビルに人気が集まっている。
ZEBで省エネ実現
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常磐橋タワーは8階の共用スペースにテーブル席や個室など約150席を用意する
カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の実現に向けて、建物にも省エネ化が求められている。建物の省エネにはネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)化が有効だ。
ZEBを実現するには負荷抑制、自然エネルギーの利用、設備の高効率化などにより「省エネ」を行う。その上で、再生可能エネルギーによる「創エネ」を行い、運用時のエネルギーの需要と供給の年間積算収支をおおむねゼロにする。
4月に「建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度」が新しく始まった。これは不動産の広告に建築物の省エネ性能を表示するもの。性能を一目で分かるようにし、ユーザーが性能を把握し比較できるようにする。
ZEBや建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)など環境認証制度を取得したオフィスビルに入居することは、企業ブランディングの観点でもメリットがある。環境への配慮をアピールする企業にとってはオフィスを選ぶ際、立地や賃料などの条件に加えて省エネ性能も重要な基準となり得る。
多様な働き方 支援
働く場所を自由に選択するアクティビティー・ベースド・ワーキング(ABW)の考え方が浸透してきている。
東京・八重洲に立つ常磐橋タワーでは、約1万人が就業する。同ビルは9階から37階がオフィスとなっており、8階に共用のワークスペースを設けた。テーブル席のほか、半個室、個室など約150席を用意する。就業者は執務エリアだけでなく、共用ワークスペース、ビル内のカフェなど働く場所を選べる。
三菱地所広報部の小西夏香氏は「ビル内に働く場所の選択肢が複数あることをポジティブに捉えられ、社員の出社率が高くなっているテナントもある」と話す。
3階には就業者専用の食堂があり、テナントから好評を得ている。同社TOKYO TORCH事業部の山川咲子氏は「自社で食堂を持たなくて済むメリットを感じてもらっている」と入居の優位性を強調する。カフェも併設され、仕事場としても利用できる。
こうした空間を提供し、多様な働き方を支えている。