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物流機器・システム
物流現場の労働力不足は年々深刻化している。拠点と拠点を結ぶ運輸部門だけでなく、物流施設や工場など施設内の物流についても労働力不足は大きな課題となっている。2024年4月からは「2024年問題」と言われるトラックドライバーの時間外労働時間の上限規制が適用された。経済社会の重要なインフラである物流に、大きな負荷がかかっている状況の克服は社会全体の課題だ。物流分野において、ITの高度利用やロボットを含む自動化技術の導入加速が求められている。
「2024年問題」契機に自動化加速
物流業は社会が機能するために不可欠な基幹産業だが、「2024年問題」と言われる難題に直面している。働き方改革関連法によって24年4月以降、自動車運転業務の年間時間外労働時間の上限が960時間に制限された。同法によってトラックドライバーの長時間労働の改善が見込める一方、運送・物流業者の売上・利益の減少、労働時間減少によるドライバーの収入減少が危惧されている。
また、物流センターや工場など構内においても人手不足は深刻だ。荷物(製品)の搬送、仕分け、ピッキング、収納や取り出し、梱包などマテリアルハンドリング分野の作業を省力・省人化し、自動化することが求められている。
物流ロボット活用さらに進化
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協働ロボットを活用したパレタイジングシステムが提案された(2025国際ロボット展=オークラ輸送機ブース) -
Mujinは「デジタルツイン工場・倉庫」を再現(2025国際ロボット展)
「2025国際ロボット展」が25年12月3日から6日までの4日間、東京・有明の東京ビッグサイトで開催された。
産業用ロボットの総合メーカーによる物流現場向けロボットや物流機械メーカーによるロボット技術を導入したシステム機器など、物流分野向けのさまざまなロボット技術が紹介された。
会場では協働ロボットを活用したパレタイジングシステムや、物理世界とデジタル世界がリアルタイムで連携する「デジタルツイン工場・倉庫」の再現など、自律化・最適化のソリューションが披露された。
物流現場では作業工程のスピードアップや、物流施設の稼働効率向上も大きなテーマとなっている。商品配送の小口化、業務量の増加および労働力不足などを背景に、物流業界では自動化ニーズが一層高まっており、効率的な物流オペレーションが求められている。
無人搬送車システムの普及進む
物流施設や工場内部では台車やフォークリフト、コンベヤーなどを用いてモノを動かしている。台車やフォークリフトを使う場合、構内を自在に移動できる半面、操作する作業者が必要になる。コンベヤーなどで流す場合は機器や装置の設置範囲に限られ、フレキシブル性に欠ける。
こうした中、無人・自動でモノを運べ、移動経路の設定が比較的柔軟なことから、省人化対策として無人搬送車(AGV)システムが注目されている。
2025年12月、日本産業車両協会は24年1—12月のAGVシステム納入実績についての調査結果を発表した。
国内向け、輸出向けを合わせたAGVシステム納入件数は762件(前年比95・3%)で2年連続の減少、納入台数は2906台(同93・6%)となった。減少傾向ではあるが、ここ数年の高水準は維持している(グラフ)。
AGVシステム納入件数の車両タイプ別割合は「無人搬送車(台車)」が53・0%(23年は41・9%)、「無人けん引車」が38・3%(同50・4%)、「無人フォークリフト」が8・7%(同7・6%)となった。
AGVシステム納入件数の業種別割合は「自動車・同付属品製造業」向けが32・5%(同31・0%)と最も多く、昨年構成比を上げた「一般機械器具製造業」向けが10・2%(同24・6%)と大きく低下した。
AGVシステム納入件数の車両誘導方式別割合は「磁気式」が67・5%(同77・9%)と依然として大半を占め、SLAM式は10・6%(同10・4%)となった。
磁気式はAGVに磁気センサーを搭載し、床面に敷設した磁気テープなど磁石の誘導路に沿って走行する。一方で、SLAM式はレーザーセンサーなどで周囲のマップを生成し、自己位置推定を行ってガイドレス走行する。
自律走行ロボット技術の一つとされ、マップ生成と位置推定で走行するため、磁気テープなどガイドの敷設が不要で、施設内のレイアウト変更への対応が容易になる。
AGVシステムの導入は人的作業の負担軽減や生産性向上に寄与する。各生産現場に適したAGVシステムの導入が求められる。
INNOVATION EXPO/九州で初開催!! 6月24—25日
「九州・東アジア 国際物流総合展 INNOVATION EXPO2026」が6月24—25日の2日間、福岡市のマリンメッセ福岡B館・A館で開催される。「物流の今と未来が福岡に集結」をテーマに、九州へ初進出する。
INNOVATION EXPOはロジスティクス・物流に関わるあらゆる技術、知識、情報を集約し、経営の変革を促進することを目的として20年2月に始まり、これまで東京で開催してきた。九州は半導体産業の一大集積地であり、農産品の主要な供給基地でもあることから、今年は九州での開催となった。アジアのゲートウェイである福岡から、東アジアの視点も交えて最新のソリューションとアイデアを発信する。
国際物流総合展/東京ビッグサイト 9月8—11日
「国際物流総合展2026」が9月8—11日の4日間、東京・有明の東京ビッグサイト東1—3ホール、同7—8ホール、西1—4ホールで開かれる。国内最大のロジスティクス・物流ソリューションの総合展として、最新物流機器やシステム、情報などのソフトとハードを一堂に結集し、技術の向上・情報の提供・人的交流などを促進する。
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両展示会の主催は日本ロジスティクスシステム協会、日本能率協会など7団体。詳細は公式ホームページ(https://www.logis—tech—tokyo.gr.jp)へ。
