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第22回 LCA日本フォーラム表彰
LCA日本フォーラムはLCA(ライフサイクルアセスメント)の優れた活動を表彰する「第22回LCA日本フォーラム表彰」(後援=経済産業省、日刊工業新聞社)を選定し、1月19日に海運クラブ(東京都千代田区)で表彰式を開いた。最高位の経済産業省脱炭素成長型経済構造移行推進審議官賞にはプラスチック循環利用協会が選ばれた。脱炭素社会の実現に向け、産業界全体でLCAに関する取り組みが加速している。
脱炭素社会実現に向け ライフサイクルを定量評価
LCAは製品の資源採取から原材料の調達、製造、加工、組み立て、流通、製品使用、廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体における環境負荷を定量的に評価する手法。国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成や、カーボンニュートラル(温室効果ガス〈GHG〉排出量実質ゼロ)実現に向けて、LCA手法の重要性はますます高まっている。
LCA日本フォーラムはLCAに関わる産業界、学会、国公立研究機関の関係者が集まるプラットフォームで、産業環境管理協会が事務局を務める。1995年に設立され、2004年からLCAに関する優れた取り組みを「LCA日本フォーラム表彰」として顕彰している。
最高位賞にプラスチック循環利用協会
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表彰式は1月19日に海運クラブで行われた
今回は25年7月22日から10月3日まで募集が行われ、LCA日本フォーラム表彰選考委員会の審査を経て、12月に受賞者が決定した。プラスチック循環利用協会の取り組みが最高位の経済産業省脱炭素成長型経済構造移行推進審議官賞に輝いたほか、LCA日本フォーラム会長賞3件、奨励賞6件、功労賞1人が選ばれた。
同表彰の応募部門は「環境マネジメント・環境コミュニケーション部門」「研究活動・人材育成部門」「アウトリーチ・コラボレーション部門」と、公募ではなく関係者の推薦に基づく「功労賞部門」の4部門となっている。
経済産業省脱炭素成長型経済構造移行推進審議官賞はプラスチック循環利用協会の「石油化学製品のLCIデータ更新」が受賞した。LCI(ライフサイクルインベントリー)は対象製品のライフサイクルを通じて排出される二酸化炭素(CO2)や消費資源、発生する廃棄物などの量を計算したもののことで、LCAにおいて重要な役割を果たす。
同協会は樹脂製品のLCIデータを、1999年に報告書にまとめて公開した。以降、データの更新に努めてきたが、2009年で止まっていた。20年度からデータ更新プロジェクトに取り組み、25年3月に最新版を公開したことが今回、表彰された。
38社・5団体の協力を得て、ナフサ(粗製ガソリン)、中間体、合成樹脂の各生産プロセスにおけるLCIデータを収集し、六つの汎用樹脂のLCIデータを公開した。またデータの計算過程を明確化するための算出ルールも合わせて作成。算出ルールは欧州などの継続的なデータ更新における基本的な考え方を踏まえ、国際的に通用する算出体制を構築した。今後は5年に一度のペースで、LCIデータの継続的な更新を目指す。
審査講評では「化学関連企業は同協会が公開したデータを、ベンチマークとして自社データと比べることで、環境負荷低減のためのアクションを検討し、カーボンフットプリント(CFP)やスコープ3の算定を進めることが可能となる。また各種包装分野への展開により、多くの業界への広がりも期待される」と高く評価された。
このほかLCA日本フォーラム会長賞には、日建設計/みずほリサーチ&テクノロジーズの「建設・不動産分野における温室効果ガス削減貢献量算定方法の素案提案」、レゾナックの「プラスチック・ガス化ケミカルリサイクルにおけるライフサイクル思考と循環型事業モデル構築への挑戦」、NECの「ライフサイクル思考を取り入れたTNFDレポート第3版の発行—拠点とバリューチェーンの水ストレス評価によるリスクスクリーニングの活用—」が選ばれた。
LCA日本フォーラム奨励賞は塩化ビニル管・継手協会、阪和興業、日鉄ソリューションズ、小泉製麻、NEDOプロジェクトLCAチーム/北九州市立大学/東京大学/国立環境研究所、大阪送風機製作所/ABBが受賞した。
