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第21回LCA日本フォーラム表彰
LCA日本フォーラムはLCA(ライフサイクルアセスメント)の優れた活動を表彰する「第21回LCA日本フォーラム表彰」(後援=経済産業省、日刊工業新聞社)を選定し、1月27日に全国町村会館(東京都千代田区)で表彰式を開いた。最高位の経済産業省脱炭素成長型経済構造移行推進審議官賞に輝いた、とやまアルミコンソーシアムやJX金属、三菱マテリアルなど8件の企業・団体と、1人の功労者に各賞を授与した。世界的に脱炭素の潮流が拡大する中、複数の企業や産学官の連携でLCAを活用する動きが盛んになっている。
受賞者紹介
【LCA日本フォーラム 会長賞】JX金属
銅のサステナビリティ向上を目的とした、需要家と共創するリサイクル促進スキームの提案とLCA手法の活用
JX金属は銅の精鉱製錬における余剰熱を活用し、銅のリサイクルを低環境負荷で実現している。さらに電気銅のカーボンフットプリント(CFP)の算定を通じ環境負荷を定量的に開示している。
また、リサイクル率の大幅な向上にも取り組んでおり、その一環としてマスバランス方式による100%リサイクル電気銅の提案を開始。これはリサイクル原料を供給した顧客に対し、それに含まれる銅見合い量を100%リサイクル電気銅として返還するもので、高リサイクル率、信頼性の高い原料トレーサビリティー(履歴管理)や低CFPを同時に実現できる。
【LCA日本フォーラム 会長賞】三菱マテリアル
電気銅のカーボンフットプリント算定・第三者クリティカルレビューの実施と、家電リサイクルLCA
三菱マテリアルは目指す姿を「人と社会と地球のために、循環をデザインし、持続可能な社会を実現する」と定めている。銅製錬事業では国内で製造した電気銅のカーボンフットプリント(CFP)を評価、第三者検証を実施して気候変動対策やステークホルダーとのエンゲージメント向上に活用する。
家電リサイクル事業では5社6工場での環境負荷削減効果を評価し、クラウド型のLCA自動算定システムを構築している。同社グループ事業の環境負荷評価と改善を通じて、持続可能な社会の実現に貢献していく。
【奨励賞】ヤマトマネキン
レンタル可能な環境配慮型仮囲い「スライドパネル」によるライフサイクルCO2削減の取り組み
ヤマトマネキンは「モノづくりで、感動を。魅せる、の先へ。」をパーパスに掲げ、独自の“魅せる力”で環境負荷低減に向けたLCA手法を展開する。
建設業界で仮設資材の大量使用に伴う廃棄物量やCO2排出量の増加が課題となる中、レンタル可能な内装工事用仮囲い「スライドパネル」を提案。再利用設計により施工時間の短縮とコスト削減を実現している。
スライドパネルは製品のライフサイクル全体にわたる環境性能を可視化。環境負荷削減効果を直感的に理解できるデータを提示し、業界の意識改革を推進した点が評価された。