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ダイヤモンド・cBN工具
ダイヤモンドは硬度や強度、耐摩耗性に優れており、産業界の「切る」「削る」などの各工程で重要な役割を担っている。ダイヤモンドに次ぐ硬度の立方晶窒化ホウ素(cBN)は、高温や鉄素材での安定性が高い。多結晶ダイヤモンド(PCD)は、主に切削工具の先端に使用され、非鉄金属などの高精度切削に適している。ダイヤモンド工具は半導体の製造工程でも活躍している。半導体製造向けの需要増を見込み、国内生産額のさらなる復調が期待されている。
半導体向け研削で活躍
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成長に期待がかかる半導体向け製品(旭ダイヤモンド工業のMーcloud)
ダイヤモンドは研削砥石(といし)や切削工具などに利用され、ガラスや超硬合金、木材、コンクリートなどの加工で活躍する。難削材や硬脆(こうぜい)材の精密加工に威力を発揮し、刃先寿命が長く、加工時間の短縮に貢献する。
硬脆材の精密・高精度な加工が不可欠な半導体業界では特に需要があり、各工具メーカーが力を入れている。ダイヤモンド工具の国内生産額のうち、研削ホイールと切削工具が占める割合は大きい。
研削ホイールの砥粒層は砥粒とそれを保持するボンドで構成される。多数の砥粒を切れ刃としたホイールを高速回転させ、目的の加工物へ切り込み除去する。砥粒にダイヤモンドを用いることで、通常の砥石では加工できないサファイアや、市場が拡大するパワー半導体材料の一つである炭化ケイ素(SiC)などの非鉄系難削材の加工ができる。ボンドのタイプはレジノイドやメタル、ビトリファイドがあり砥粒の結合特性が異なるため目的に応じて使い分ける。
旭ダイヤモンド工業の研削ホイール「Mーcloud」は超多孔質メタルボンドホイールのため、これまでのメタルボンドホイールでは適用できなかった細かな粒度を実現している。これにより、切れ味と耐摩耗性を両立させた。SiCやGaN(窒化ガリウム)などの半導体ウエハー面研削に用いられる。
国内生産945億円
ダイヤモンド工業協会はダイヤモンド・cBN工具の2024年の国内生産額の目標を945億円に設定していた。自動車や半導体関連の設備投資の増加を期待しての数字だったが、実際は約900億円になる見込み。23年実績の896億8000万円からほぼ横ばいとなる。25年目標も945億円に設定した。
同工業協会によると、目標額を下回った要因の一つに、「市場の停滞がある」という。ダイヤモンド工具は自動車や産業機械、半導体、建設などあらゆる産業分野の切削や研削の工程で用いられており、自動車などの完成品の売れ行きや工場の設備投資などに影響され波及が遅い。産業機械分野の上流の景気が回復しない限り上向きづらい。
国内生産額は731億8900万円まで落ち込んだ20年に比べ回復傾向にあり、同工業協会は今後の半導体産業の成長に期待している。日本半導体製造装置協会(SEAJ)が1月に発表した需要予測によると、中国市場の継続した投資や人工知能(AI)関連を中心とした投資を背景に、日本製半導体製造装置の24年度の販売額は過去最高の4兆4371億円となっている。
展示会 3月開催
国内外有力メーカーの研削盤やダイヤモンド工具などが出品される展示会「Grinding Technology Japan(グラインディングテクノロジージャパン)2025」が3月5日から7日までの3日間、千葉市美浜区の幕張メッセで開かれる。日本工業出版と産経新聞社が主催。初開催の「SiC,GaN加工技術展」などが同時開催される。特別ブースの研削コンシェルジュでは事前予約制で専門家が研削の相談に対応する。