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Cimatronによるコンフォーマル冷却管設計支援
コンフォーマル冷却水管設計支援
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【図1】複数キャビティー形状とオフセットメッシュと水管中心線 -
【図2】水管断面の種類と水管チャンネル
コンフォーマル冷却はキャビティー形状から一定の距離で冷却水管を配置することにより均一な冷却効果が得られる。しかし、複数面で構成されているモデルから一定の距離の面を作成し、そこに冷却水管を作成するのは簡単ではない。シマトロンはメッシュ機能を標準装備しており、複数面のソリッドモデルからオフセットした場所に水管形状を作成する(図1)。
冷却管の径、安全許容距離、冷却チャンネル間の最小距離を指定することで、指定形状から一定のオフセット位置に水管の中心線の作成ができる。また、他の冷却オブジェクトを避けて設定したり、ソリッドオブジェクトを指定し、指定範囲にだけ作成することもできる。また、モデル表面だけを選択し、その表面に沿うように作成することも可能だ。
シマトロンはさまざまなコンフォーマル水管用の機能を装備している。水管の断面形状を定義する(図2)。
形状の特徴に沿った水管を作成する場合、特殊な断面形状の水管が必要となる。シマトロンでは指定した中心線の必要な部分に指定した断面の水管を作成することができる。さらに、指定した範囲で部分的に断面形状を変化させることも可能で、変化部分はシステムが自動的に徐変処理する。また、水管自体に選択範囲内でひねりを加えられる。これは金型と水管の接触面積を増やすことで、冷却効果を高める。
最適化支援
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【図3】距離解析と最適化(オーバーハング解析と最小幅)
シマトロンはモデルの最適化を支援する三つの機能を備える。
一つ目の距離解析は作成した水管と形状面の距離を解析することが可能で、指定距離以下の領域の表示ができる。
二つ目の距離最適化は追加で距離を自動調整する機能で、距離解析で判明した指定距離以下の箇所を自動的に解析し、最低限の距離に最適化する。
また作成したモデルはプリンターで積層するため、冷却管のアンダー形状部が問題となる。アンダー部の角度(オーバーハング角度)や幅はプリンターの機種によって作成できる範囲が異なる。三つ目のオーバーハング領域解析により指定角度以下、および指定幅以上の領域を解析して画面上に表示する。その箇所の断面形状を変更したり、わざと断面を回転したり、あるいは幅を狭めて対策できる(図3)。
自動化支援
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【図4】自動冷却曲線 -
【図5】サンプルモデル
このような水管を全て手動でコントロールするのは手間がかかる。シマトロンは水管入り口と水管出口を指定し、形状との距離の指定、水管同士の間隔を入力するだけで自動的に最適な水管曲線を生成する。また、断面形状を指定し、水管の位置などの最適化ができる(図4)。
これらの機能を使い、モデル形状に沿った部分だけ手動で水管を作成し、その他のモデル内部は自動的に作成する方法もある。水管だけでなく取り付けボルト用の穴形状なども同様に認識し回避させる。図5の水管サンプルモデルは①形状左手前表面部を先に作成②形状左の残り部への水管③形状右部分―を順に作成している。