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セラミックス 軽量・長寿命化を実現
導入―委託で“経験”
AMを自社で導入する際は、ハードルが低いものから始めたい。初めは強度や性能が求められるような製品にはAMを使用せず、治具、工具、金型など、製品以外のものに使用するようにする。
また産業用途向けの機械は1台当たり数千万円以上と高額なため、まずはサービスビューロー(受託造形)などに造形を委託してAMの経験を積んでから導入を検討するのが良い。サービスビューローは技術的な相談ができる。技術的なやりとりを重ねてAMの知見を高め、自社で機械を導入して作った方がコストに見合うと判断した上で購入すれば、失敗が少ないだろう。AM装置メーカー各社でも造形テストを受け付けている。
日本AM協会の澤越俊幸専務理事は業者選びのポイントについて「航空機、自動車、家電など幅広い領域で造形を多く手がけている企業を選ぶといい」という。そうした企業はAMに関する知見を多く持っているため、課題解決のための具体的な相談ができる。また「複数社に同じ要求を出し、そこから技術的なやりとりが期待できそうな企業を選ぶといい」(同)と話す。そのほか各都道府県に設置されている工業技術センターを利用する方法もある。最新のAM装置を利用できる場合があり、研究員と技術的な相談を重ねることで知見を得ることも可能だ。
新材料、開発進む
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ホッティーポリマーの特許技術である「架橋接合」により複雑な形状も造形できる(同社提供)
材料メーカー各社により、新材料の開発が日々進む。金属や樹脂のほか、カーボン、木材、石膏、セラミックス、セルロースナノファイバーなど多種多様な材料が生まれている。例えば、セラミックスは硬度、耐摩耗性、耐熱性、耐食性が高いという特徴を持つ。長寿命化、軽量化などのメリットがあるため、既存部品の代替品として用いることが期待できる。また生体との親和性が高いため、海外では医療場面で活用されている。患者一人一人に合わせたオーダーメード品を短期間で製作することも可能だ。
ゴム製品の製造から始まったホッティーポリマーは、紫外線(UV)硬化型液体積層方式のシリコーンゴム3Dプリンターを開発した。液体シリコーンをシリンジ方式で材料供給することにより、硬度変更や添加剤混合が自由にできる。従来の熱架橋からUV架橋に変更することで冷却の時間が不要になり、造形スピードを従来機比約150%向上した。強度と耐久性に優れるシリコーンゴムの造形が可能だ。同社は受託造形サービスも行っている。
同じ素材でも反りを抑制する、耐食性が高い、健康被害につながる成分を除去したものなど、各社が独自性を持つ材料を提供している。ユーザーは作りたいものに合った材料を選び、メーカー各社の材料の特徴を見て選定する。
材料メーカーは装置の設定値を提示しているので、それを参考にして設定値を割り出すことになるが、望む形状(厚さ、大きさ、複雑性など)や望む造形仕様(面粗度、密度、積層厚など)に合わせて、ユーザーが使用する装置の設定値を策定する必要がある。初めは設定値を割り出すのに苦労する印象だが、「この点がノウハウになる。機械の設定や造形姿勢、加工の順序を工夫するのは、従来の加工法で皆さんがやってきたことと同じ」(澤越専務理事)という。
3Dプリンティング & AM技術の総合展 TCT Japan 2024
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2023年は3万1137人が会場に訪れた(JTBコミュニケーションデザイン提供)
3DプリンティングとAM技術の総合展「TCT Japan 2024」が、2024年1月31日から2月2日までの3日間、東京・有明の東京ビッグサイトで開催される。主催はJTBコミュニケーションデザインと英Rapid News Publications。Rapid News Publicationsは、欧州・米国・アジア圏で3Dプリンティングや積層造形技術の展示会を運営しており、世界的にも最大級とされる。
TCT JapanではAM装置のほか、材料やソフトウエア、評価・測定機器、造形サービスなど、国内外の最新のAM関連製品・技術が見られる。出展者数は100社・団体となる見込み。開場時間は10時から17時まで。入場は無料(事前来場登録制)。
