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10月3日開幕 JAPAN PACK2023(2023年10月)
包装産業の展示会「JAPAN PACK2023(日本包装産業展)」が10月3―6日の4日間、東京・有明の東京ビッグサイト東展示棟2―6ホールで開かれる。主催は日本包装機械工業会。開場時間は10時から17時まで。今回は「未来への包程式―当たり前のその先へ―」がテーマ。入場無料で完全事前登録制。詳細は公式ウェブサイト(https://www.japanpack.jp/)へ。
未来への包程式 当たり前のその先へ
「プラ減量」提案 製造工程全体の自動化推進
同展は1964年に1回目を開催し、今回で34回目を迎える。400を超える出展者が包装機械や包装資材、印刷機械、ソフトウエアなど、我々の生活に欠かせない包装関連の製品・サービス・技術を披露する。
①持続可能社会への対応②生産現場の自動化・効率化③安全安心の実現④市場の拡大―の四つの展示テーマを軸に、展示会が行われる。
包装資材は近頃プラスチックを減らす動きが盛んになってきている。プラスチックは流通や内容物の保護、消費期限の延長などに大きく貢献してきたが、廃棄後に適正処理がなされないことによる海洋プラスチックゴミが問題となっている。ペットボトルを薄くしたり、お菓子などのパッケージ製作で使われるヒートシールの代わりに、超音波シールを使い接着面をギリギリまで狭くしたりすることで、プラスチック使用量の削減を図っている。
またプラスチックを紙やサトウキビ素材などの代替素材に変えることでプラスチック使用量減らしながらも、従来のパッケージ機能を持たせることも求められている。
お菓子のパッケージでは、直接お菓子が入っている一次包装は従来のものを使い、外袋(二次包装)は紙を使うなど、素材メーカーはプラスチック使用量を減らす提案をしている。
包装業界では、昔は機械単体の自動化が求められることが多かったが、今は製造工程全体での自動化が求められている。搬送、セット、少量多品種生産における段取り替えなどの工程を、自動で行える製品やソフトウエアなどが出てきている。
プラスチック削減の動きや製造工程全体の自動化など、包装業界のトレンドに応える展示や発表が、本展でも多く見られることが予想される。
展示会ではいくつものセミナーや特別展示が予定されている。
セミナー
3日11時からは、基調講演が二つ行われる。東展示棟6ホール内「自動化ステージ」では「製造業DXについて」をテーマに経済産業省製造産業局の松高大喜氏(製造産業戦略企画室室長補佐)が、製造業向けデジタル変革(DX)の国内外の動向、課題や政策の方向性について講演する。東展示棟3ホール内「環境ステージ」では「資源循環経済政策について」をテーマに経産省産業技術環境局の田中将吾氏(資源循環経済課長)が、経産省が策定した「成長志向型の資源自律経済戦略」の実現に向け、産官学サーキュラーエコノミーパートナーシップの立ち上げや、動静脈連携の加速に向けた制度整備の検討について紹介する。
自動化・環境
「自動化・環境ソリューションコーナー」には20社が出展。人手不足の解消やDXの推進など、現場の生産性向上に寄与する「自動化ソリューション」と、国連の持続可能な開発目標(SDGs)や廃棄ロスの削減など、持続可能な社会実現に寄与する「環境ソリューション」をパネルや動画を使って展示する。
スタートアップ
「スタートアップ&アカデミックエリア」にも、自動化・環境に関する製品・技術が集まる。先進的かつ革新的な製品・技術の開発・研究・提供を行っている14のスタートアップ企業、教育・研究機関が、最新技術や研究成果を披露する。会場内で行われる「ピッチプレゼン」では、プラスチックや有機フッ素化合物(PFAS)を含まない紙製容器や、触覚センサーを活用した検品・品質管理ソリューションなどが紹介される。
CLOMA
クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)の会員企業・団体が参加する「CLOMAパビリオン」では、容器包装における「環境配慮設計」「プラスチックの適正使用」「新素材・代替素材の提案」「廃棄ロスの削減」「3R+Renewableの推進」に関する新たな役割や付加価値が提案される。過去最多の20社・団体が参加する。
ライフサイクル
「包装ライフサイクルコーナー」では、「未来への包程式=0(ゼロ)」をテーマに、容器包装にまつわる国内外の最新動向や、ライフサイクル全体の可視化、個別製品のライフサイクルに関わる展示を、実物や数値を用いて行う。さまざまなソリューションを掛け合わせ、将来の環境負荷ゼロを目指す。
表彰
また、日本包装機械工業会が包装機械、包装関連機器、包装資材などを、新規性、独創性、安全・衛生性、省エネ性などの観点から表彰する「JAPAN PACK AWARDS 2023」が行われる。生産性や品質の向上、人手不足や環境課題解決などに向けた新製品・新技術の登場が期待される。表彰式が4日13時半から、東展示棟6ホール内「自動化ステージ」で行われる。受賞製品のパネル展示コーナーは東展示棟5ホール内に設けられる。