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岩手県、推進プラットフォーム立ち上げ
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8月に盛岡市内で開いた「いわてスタートアップ推進プラットフォーム」のキックオフミーティング(岩手県提供)
いわてスタートアップ推進プラットフォームは、岩手県内の関係支援機関の連携を強化する新たな基盤となる。県は「オール岩手で地域経済の担い手となる起業家の成長を支援していくことになる」(商工労働観光部経営支援課)という。先のキックオフミーティングには、県をはじめ市町村、商工団体、金融機関、企業など90以上の団体が参加。新たな起業家支援のプラットフォームづくりを確認した。事務局は県商工労働観光部経営支援課が担う。
いわてスタートアップ推進プラットフォームのビジョンでは、成長した起業家が次の起業家の成長を支援することで、継続的に起業家が生み出される仕組みの構築を掲げる。初年度の計画としては、支援に向けた現状を認識するため、参画団体の現在の取り組み内容や先行事例を共有し、今後の取り組みの方向性の検討を進める。早ければ10月にも支援策の効果的な情報発信を行うホームページを開設する。
具体的な起業家支援に向けて、県はプラットフォームに分科会を設けて、各テーマごとに課題を解決していく意見交換を重ねる考えだ。テーマは創業支援、新規事業開発支援、女性の起業支援などを想定する。各支援機関の支援ノウハウの共有に向けたセミナーの開催、対面での起業家交流会なども充実させていく方針だ。
事業展開への明確な「出口戦略」呼びかけ
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Next IWATE代表 上野祐太郎さん
「起業家マインドの醸成が欠かせない」―。一関工業高等専門学校専攻科1年生の上野祐太郎さんは、将来に向けた若者の活躍にこうした取り組みが大切になると指摘する。上野さんは2023年1月に個人事業として学生コンサルタント(地域創生)「Next IWATE」を創設。その代表を務める。23年6月からは、岩手県一関市、一関高専、県と連携し、起業家マインドを学ぶ場「アントプレナーシップチャレンジ」をスタートした。
このプログラムの受講者は、一関高専生(1―5年生)が対象。初年度約30人が参加する。今夏には、参加学生が地域企業を訪問し、企業が把握できていない課題を高専生の視点で抽出。新規事業の提案につなげていく試みを展開している。上野さんは「『起業』は手段であり、目的ではない」と強調する。事業を進めるリスクなども学び、高専生が培った技術など自己の強みを企業の中で、また起業などで、どう生かすか。上野さんは「そうした起業家マインドの醸成が本人にとっても役立つはず。こうした取り組みをモデルケースに地域から広げていきたい」という。
23年7月、上野さんは、岩手県政策メンター(若者活躍分野)にも就任した。いわてスタートアップ推進プラットフォームの展開には「持続性のあるシステムに仕上げていく必要性がある」と指摘する。そのための明確な「出口戦略」を呼びかける。まずは全県を見つめ、今後設ける分科会での活動で、各課題に対応していく体制づくりを提起する。
Next IWATEは、学生でも活躍できる地域システムの創出を進めている。行政、商工会議所、金融機関などと組んで、地域の課題解決にも取り組む。上野さんらは23年6月に、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のNEP開拓コースに採択され、一関高専の技術を用いた陸上養殖を実現するための新会社設立を24年3月にも計画する。「今後、自らの出口戦略も一段と練り上げていきたい」としている。
