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ロボット技術(2023年8月)

 生産の省力化・自動化、生産性向上、労働力不足への対応など、産業界が直面する課題に対し、IoT/人工知能(AI)に象徴されるITの高度活用とともに、ロボットの導入拡大の機運が高まっている。産業用ロボットは問題解決への大きな役割を果たそうと、速さ、正確さ、制御の柔軟さなどを進化させている。

急拡大続く世界市場

SIerの役割重要に

 産業用ロボットの市場は大きな成長を続けている。日本ロボット工業会の統計では、2022年の国内メーカーの受注額は1兆1117億円、受注台数は29万9093台で、いずれも過去最高を更新した。

 世界の産業用ロボットの稼働台数も増加を続けている。国際ロボット連盟の推定値では、18年の244万台から、19年274万台、20年303万台、21年347万台へと急拡大を続けている。

 産業用ロボット市場の拡大は生産の自動化や省力化といったニーズが世界に共通したテーマだからだ。とりわけ人手不足への対応が切実な問題となっている。ロボット導入の目的はこれまで、微細な実装・組み立てという人にはできない作業、溶接や塗装といった人には厳しい環境など、人からロボットへの置き換えにあった。

 最近はそれだけでなく、人のそばで作業する協働ロボットが導入され始めている。接触の危険性を察知すると直ちに停止するなど、高い安全性を有しており、ロボット導入の可能性を広げている。

 ロボットはセンサーからの信号に基づいて次の動作を判断し、出力する。構成パーツの選択から、システム全体の統合まで、目的に応じた最適なロボットシステムの構築には高い専門性が必要だ。ロボットシステムインテグレーター(SIer)の役割はますます重要になっている。

国際ロボット展 最大規模で11月開催

  • 過去最大だった2022国際ロボット展を上回る規模での開催となる
    過去最大だった2022国際ロボット展を上回る規模での開催となる

 日本ロボット工業会と日刊工業新聞社は11月29日から12月2日までの4日間、東京・有明の東京ビッグサイト東1―8、西3・4ホールで「2023国際ロボット展」を開催する。現時点での出展規模は過去最大だった22年3月開催の前回を上回る647社・団体、3430小間。うち海外からは111社・団体が出展する。

 国際ロボット展は1974年の初開催以降、隔年で開催し、今年で25回目。世界最大規模のロボット専門展として、国内外から高く評価されている。今回は「ロボティクスがもたらす持続可能な社会」をテーマにハイブリッドで開催する。オンライン会場はリアル展示の会期を挟む11月22日から12月15日までの開設。

 また西1・2ホールでは12月1日まで、洗浄総合展VACUUM真空展SAMPE Japanなどが同時開催される。

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