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遠隔操作・監視、ロボット、人工知能(AI)など新たな技術導入も
破砕機には1軸破砕機、2軸破砕機、湿式破砕機、ハンマー式破砕機などさまざまなタイプがあり、処理後の対象物の大きさによって機械の仕様が異なる。処理する廃棄物の材質は金属をはじめ、ガラス、木材、プラスチックなど幅広く、その形状・サイズは千差万別。このため、金属向けやプラスチック向けなど処理するものや用途によって各種の機械が提供されている。
資源の国内循環に対応するため、選別機や乾燥機といった前後工程の周辺機器と組み合わせた一貫ラインとして提案するといった取り組みも活発化している。破砕・粉砕機メーカーのホーライ(大阪府東大阪市、鈴木雅之社長)は、廃プラスチックなど樹脂の粉砕から回収までの工程を行う「クリーンアップシステム」のテストラインを8月稼働した。これまで単体やユニットとして販売していた粉砕、脱水、乾燥の各種機器をトータルで構成。顧客の要望に応えてライン全体で動作確認できるようにした。
同システムに対象物を投入すれば、付着物が除去された状態のリサイクル用粉砕物(フレーク)が、最終のサイクロン回収口で収集可能。異物除去や品質維持が難しく、従来は焼却や組み立て処理していた廃棄物も、このシステムで適切に処理することで、材料として再利用するマテリアルリサイクル率が向上し、サステナブル(持続可能)社会の構築に貢献する。
さらには硬質プラスチック用竪型脱水機、フィルム系横型脱水機が選択可能な混合ラインとすることで、硬質・軟質・薄物・厚肉プラスチックに対応。大型粉砕機を組み込めば、コンテナケース、衣装ケースなどの大型・厚肉の成形品も処理できる。
破砕・粉砕機に要求される基本機能に大きな変化はないものの、国内の人手不足が深刻化するなか、遠隔操作・監視、ロボット、人工知能(AI)といった新たな技術の導入が盛んに行われている。メーカーはこうした市場の変化やニーズに迅速に対応することで満足度を高め、新たな需要の掘り起こしを図ろうとしている。