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京都の連携2023~京都のエコシステム
グローバル企業やニッチトップ企業、スタートアップ、大学が集積し、はたまた伝統からハイテクまで幅広い産業が根を張る街、京都。それらの活動や連携を、金融機関や自治体などが一体で支援する”京都独自のエコシステム(生態系)”は、長きにわたり「京都発」を創出する礎となっている。デジタル変革(DX)やグリーン・トランスフォーメーション(GX)推進に向け、多様なプレーヤーが共創する今の京都を探る。
地域を支える金融機関ー課題解決へ多様なサポート②
京都銀行/SDGsコンサル 堅調に実績積む
京都銀行が取引先企業向けに行う「SDGsコンサルティングサービス」の実績が堅調に積み上げている。国連の持続可能な開発目標(SDGs)の言葉が浸透する一方、何をすればよいのか悩む企業は多い。そこで課題認識と現状把握のための「京銀SDGs宣言サポート」、実践に向けた「京銀SDGs実行サポート」で、顧客が順を踏んで進められるよう支援している。
実行サポートは「課題は認識しているが、具体的に実行できる人材がいない」といった顧客の声を受け、2022年10月に始めた。副業・兼業人材仲介のJOINSと連携。人材選定の助言、面接の同席、採用後の支援まで同行が担う。すでに50件超の相談があり、デジタル化や新規事業の創出に対応する。副業・兼業人材はリモートワーク中心。地域を問わず採用可能で裾野は広く、活躍が期待される。
京都中央信用金庫/企業の新たな成長へ複合型で支援
京都中央信用金庫は、ものづくり企業の新しい成長モデル創出を目指す複合型支援事業「IOK+」を2022年9月から始めた。企業の経営分析を行い、事業発展の基盤となる「事業計画の策定」と、京都の伝統的なものづくり企業が持つ技術や意匠のリデザインで「商材開発・販路開拓・グローバル支援」を内包した事業だ。
参画事業者を募集し、応募者多数の中から36事業者を選定。同金庫内で募集した同事業への適正が高い職員も「IOK+研修」として参加した。中小企業診断士やデザイナーらの専門家を交え、「事業計画の策定」「商材開発支援」、グループ会社で地域商社の京都アンプリチュードによる商談会実施などの「販路開拓支援」といった一貫した伴走支援を行った。今後、さらなる参加企業の販路拡大や業績向上に結びつく活動を推進する。
技術交流で互いに成長/サムコ会長兼CEO 辻 理氏
―化学気相成長(CVD)装置やドライエッチング装置といった半導体製造装置を世界に展開しています。
「米国が主導する中国への半導体関連輸出規制など、半導体を巡る国際情勢は大きく変化している。当社の事業へは今のところ影響ないが、いずれ出てくる可能性もある。状況を注視している。ただ、私のような技術屋からすれば、技術面での交流はあっても良いのではないかと考えてしまう。軍事技術に関わる箇所は除いて、技術交流は、お互いの成長につながることだ」
―海外戦略は。
「海外の展示会などで研究開発用に加え、量産仕様の装置の引き合いも多く、開発を進めている。米国のメジャー機関に当社製品が納入されるなど、当社の技術力はグローバルで評価が高まっている。足元の海外売上高比率は40%弱で、まずは同50%超えが目標だ。同業他社を見ると、多いところでは同80%に近い。海外拠点・人員を増強するなど、販路拡大を進める」
―中堅・スタートアップ企業が集まる京都市伏見区の東高瀬川地域に先端産業集積を目指す「東高瀬川ビジネスパーク構想」を主導しています。
「2024年3月までの事業計画を作った。注力するのは東高瀬川地域にいる企業への構想に関する啓発だ。周知徹底して参加者の枠を広げていく。構想には地場の金融機関が賛同するほか、不動産会社も興味を持ち、参画を希望している。構想実現に向けた第一ステップが動き始めた」